政治意識とか世論というものは様々な要素や変数により、変化していくものなのだろうが、トランプ支持者の傾向は、所謂「陰謀論」を支持する考え方との親和性が高いのは事実だろう。 面白いのは、WaPoに出ていた次の記事。「最新の世論調査によると、共和党員の3分の1近くがスウィフト氏が「政府の秘密工作」に参加していると信じている。」として、「モンマス大学の最新世論調査によると、スウィフト氏が2024年のバイデン大統領再選に向けた「政府の秘密工作」に参加しているという考えを、アメリカ人全体が73%対18%で圧倒的に拒否している。 しかし、共和党内ではこの提案に対する驚くべきレベルの支持がある。世論調査によると、共和党員の約3分の1(32%)が、スウィフトが確かに政府の秘密工作に加わっていると信じている。さらに 57% はそのような取り組みは存在しないと答えています。」 https://www.washingtonpost.com/politics/2024/02/14/gop-swift-superbowl/ 要するに、多くのアメリカ帝国の国民はテイラー・スウィフトが、政府(DS)の秘密工作に関わっているなどという「陰謀論」には与しないが、共和党員の三分の一は、そのことを信じている、と。 テイラー・スウィフトがDSの手先かどうかは、私は知るよしもない。しかし、アメリカ帝国の国民は、結構な割合でディープステートの存在を信じていて、その傾向は共和党支持者が強いとのことだ。 https://www.politico.com/story/2018/03/19/poll-deep-state-470282 「世論調査:大多数が「ディープステート」が米国の政策を操作していると信じている」 この中で興味深いのは、「共和党員と無党派層はディープステートの存在を信じていると回答する可能性が高く、それぞれ31%と33%だった。ディープステートが確実に存在すると答えたのは民主党員のわずか19%だった。」という点。無党派層もディープステートの存在を信じている、割合が比較的高いとのこと。 さて、ここで、ディープステートとか陰謀論が何を意味するのか、読み替える或いはよく考えてみる必要がある。単なるディープステートという深奥政府のイメージのみを想い描くなら三文小説みたいなデタラメ、空想のレッテル貼りが可能かもしれない。 しかし、DSと一括りにしているものをより具体的に軍産複合体とかビッグファーマ、金融資本等に読み替えると、それは存在し得ると分かる。 そして、軍産複合体、ビッグファーマ、金融資本はアメリカ帝国の政策に影響を与える政治力資金力と動機が有ることは、容易にわかる。 その意味では、DSは実在するというべきだ。さらにDSが、その独自の利害に故に、政策を歪めていることもありうるだろう。例えば、軍産複合体は戦争がなければ、儲からない。民主主義を守るために戦争をするなどと、およそ倒錯した論理を振りかざして、民衆を戦争に駆り立てる。これは正に今のバイデン政権の有り様だろう。 それに対して、反発や反対の目線を向ける「陰謀論者」=共和党支持者は、むしろまっとうだと言ってよいと思う。そして、民主党がレッテル貼りするところの陰謀論者の支持をトランプが集めてDSと対決するなら、やはりそれは良い流れではないか、と考えている。
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孫崎享チャンネル
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政治意識とか世論というものは様々な要素や変数により、変化していくものなのだろうが、トランプ支持者の傾向は、所謂「陰謀論」を支持する考え方との親和性が高いのは事実だろう。
面白いのは、WaPoに出ていた次の記事。「最新の世論調査によると、共和党員の3分の1近くがスウィフト氏が「政府の秘密工作」に参加していると信じている。」として、「モンマス大学の最新世論調査によると、スウィフト氏が2024年のバイデン大統領再選に向けた「政府の秘密工作」に参加しているという考えを、アメリカ人全体が73%対18%で圧倒的に拒否している。
しかし、共和党内ではこの提案に対する驚くべきレベルの支持がある。世論調査によると、共和党員の約3分の1(32%)が、スウィフトが確かに政府の秘密工作に加わっていると信じている。さらに 57% はそのような取り組みは存在しないと答えています。」
https://www.washingtonpost.com/politics/2024/02/14/gop-swift-superbowl/
要するに、多くのアメリカ帝国の国民はテイラー・スウィフトが、政府(DS)の秘密工作に関わっているなどという「陰謀論」には与しないが、共和党員の三分の一は、そのことを信じている、と。
テイラー・スウィフトがDSの手先かどうかは、私は知るよしもない。しかし、アメリカ帝国の国民は、結構な割合でディープステートの存在を信じていて、その傾向は共和党支持者が強いとのことだ。
https://www.politico.com/story/2018/03/19/poll-deep-state-470282
「世論調査:大多数が「ディープステート」が米国の政策を操作していると信じている」
この中で興味深いのは、「共和党員と無党派層はディープステートの存在を信じていると回答する可能性が高く、それぞれ31%と33%だった。ディープステートが確実に存在すると答えたのは民主党員のわずか19%だった。」という点。無党派層もディープステートの存在を信じている、割合が比較的高いとのこと。
さて、ここで、ディープステートとか陰謀論が何を意味するのか、読み替える或いはよく考えてみる必要がある。単なるディープステートという深奥政府のイメージのみを想い描くなら三文小説みたいなデタラメ、空想のレッテル貼りが可能かもしれない。
しかし、DSと一括りにしているものをより具体的に軍産複合体とかビッグファーマ、金融資本等に読み替えると、それは存在し得ると分かる。
そして、軍産複合体、ビッグファーマ、金融資本はアメリカ帝国の政策に影響を与える政治力資金力と動機が有ることは、容易にわかる。
その意味では、DSは実在するというべきだ。さらにDSが、その独自の利害に故に、政策を歪めていることもありうるだろう。例えば、軍産複合体は戦争がなければ、儲からない。民主主義を守るために戦争をするなどと、およそ倒錯した論理を振りかざして、民衆を戦争に駆り立てる。これは正に今のバイデン政権の有り様だろう。
それに対して、反発や反対の目線を向ける「陰謀論者」=共和党支持者は、むしろまっとうだと言ってよいと思う。そして、民主党がレッテル貼りするところの陰謀論者の支持をトランプが集めてDSと対決するなら、やはりそれは良い流れではないか、と考えている。