中庸左派 のコメント

 既存の秩序が崩壊しようとしている。

 基本認識としては、そう受け止めるべきだ。

 既存の秩序とは、ルールに基づく国際秩序、パックスアメリカーナ、もっとドギツく言うなら、アメリカ帝国による覇権だ。

 ウクライナが勝てない、という欧州人の現実的認識は、庶民レベルでは、意識的か無意識かに関わらず、ある種の本能的な変化の予感の表現ではないか?

 その意味では、欧州の庶民レベルでの実感とか、物価高等の生活苦、ウクライナ難民との軋轢、ウクライナ支援による具体的な不利益と、それを無視してアメリカ帝国覇権により甘い汁を吸おうとする欧州エリートとの乖離がヒドく深くなっているのではないか?

 ルールによる国際秩序という名のエリート支配による庶民窮乏化が、欧州の端的な素描だろう。

 日本もこの点は同じ。端的な例は、実感なき株高だ。アメリカ帝国流の金融資本主義のウソに対する、庶民の冷ややかな眼差し。いくらB層でも、今の株高に群がり、おこぼれに与ろうとすれば、すぐに梯子を外されると見限っているのではないか?

 だから、この株高に踊らされるB層は少ないだろう。だから、その意味で、踊る阿呆に見る阿呆の「バブル」ではない、という気がする、

 要するに、株高は一部のエリートとか機関投資家のマネーゲームに過ぎない。庶民には関係ない。これが既存の秩序、金融資本主義やアメリカ帝国の覇権のなれの果て。

 自由民主主義を守れ!とか言って、戦争までして、その実は、一部のエリートが甘い汁を吸うだけの世界、グローバリズムに、多くの庶民がウンザリしているのではなかろうか?

 そもそも、今何故物価高か?それは、単純にウクライナと中東で戦争をしているからだ。主導しているのはアメリカ帝国だ。

 そして、アメリカ帝国の覇権がなくなり、多極世界への転換のほうが庶民にはメリットがある、端的にそのことに欧州の庶民が気づきはじめた。そんなことなら、一縷の希望ではなかろうか?

No.11 8ヶ月前

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