中庸左派 のコメント

 政治の腐敗堕落の問題は、そもそも「民主主義」の陥穽の問題だと考えている。それは西側の民主主義を標榜する国々全てに共通するだろう。

 特に現象として顕著なのは、グローバル資本主義や金融資本主義が強固に形成されたため、世界中が格差社会となった。政治の場面では、エリートと一般大衆の分裂。エリートによる民主主義の専横略奪であろう。典型はEUにおけるEU官僚と各国一般大衆との乖離、或いは対立をあげられよう。

 この現象は日本も例外ではない。日本の場合は、アメリカ帝国に対する属国化という形で同様に見ることが出来る。例えば、沖縄辺野古への基地移設問題において、公然と見せつけられた司法行政の民意(県民投票)無視を思い起こせばよい。日本のエリート層が牛耳る司法行政権力は、アメリカ帝国に忖度するだけで、民意に耳をかすことはない。

 西側を襲う物価高は、明らかにアメリカ帝国らの武器支援、戦争継続政策によりもたらされている。しかし、西側のエリート権力層は一般大衆の苦境に注意を払うことはない。あくまで、エリート層の閉ざされた枠内でお金が回ればよいのである。

 卑近な例では、日本のオリンピックでは大会組織委員会の元理事高橋治之は、スポンサー企業から金を貰いまくり、受託収賄罪で起訴されたわけだが、とりあえず保釈金8000万円を払い、娑婆に舞い戻っている。まさに地獄の沙汰も金次第みたいなハナシである。金回りの良いエリート層が上手く金を回し合って甘い汁を吸っている構図だろう。

 だが、いつも思うのだが、こうした権力エリートの腐敗堕落を下支えしているのは、やはりB層大衆なのだろう。

 物言わぬ大衆。主流権威筋メディアの大本営発表を鵜呑みにするB層。所詮何も変わらないさ、みたいな薄っぺらいニヒリズムと怠惰による選挙権放棄。こうしたモロモロのB層大衆の良識にかける行動の積み重ねが民主主義を形骸化させて、結果的に権力エリートによるお手盛りを誘引したのであろう。B層は自分で自分のクビを締めている。しかし、愚かなB層は、そのことに気づいてすらいない、そんなところであろう。

 形骸化した民主主義を衆愚政治という。衆愚政治において権力エリートの腐敗堕落が横行するのは必定。だが、民衆の力で、この構図が打破され、政治が民主的に浄化されることが期待出来るか、というと正直、見通しは暗いと見ている。

 日本は外部環境の激変、即ちアメリカ帝国の覇権低下、自滅により変わらざるを得なくなって、ようやく変革の必要性に気付くのではないか?

No.6 10ヶ月前

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