中庸左派 のコメント

 内閣改造と言っても、そもそも日本の政党政治になにを期待出来るのか、という根本問題がある。

 とは言え、今回の内閣改造を見渡してみると、やはり隔靴掻痒のような日本らしい白黒つかないもどかしさ、脱力感に襲われるばかりだ。

 私が注目していたのは、一つは木原官房副長官の処遇であったが、下馬評に反して、形式的には木原はクビになった。

 これとて、社会常識に照らせば当たり前のこと。特段、評価に値するわけでもない。木原の新ポジションにしても党幹部の要職をあてがわれており、なんとも清々しくない。問題政治家が公明正大に排除された感、皆無。次の点でモヤモヤ、というより怒りが強まった。

①木原誠二は捜査への圧力疑惑に結局説明責任をはたしていない。
②事件の被害者遺族、担当警察官が記者会見まで開いて、真相解明の必要性を訴えたのに捜査当局は黙殺している。
③木原の政治責任にも、事件の真相解明に関しても、主流権威筋メディアは沈黙している。

 この三点があやふやなまま、積み残されていくかの様相。日本の腐敗堕落を見せつけられている感がある。

 もう一つは、国内の喫緊の課題は物価高だ。より本質的には原油高。

 そして、その根本要因たるウクライナでの戦争に関して、アメリカ帝国への追従をするのみで、政権として停戦和平を求めることが、物価安定や国民生活安定に寄与するという視点が欠如している。

 戦争という、原油高の根本要因を放置し、それどころか、戦争継続を応援することで、結果的に国民窮乏化を推し進める政策に反省皆無の新内閣である。

 しかも、防衛増税を正当化するために解散総選挙のタイミングを見極めるための内閣改造であろう。

 それにしても、原油高で庶民は窮乏化するが、ボロ儲けする石油メジャーは高笑いだろう。

https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-64621144

 また、便乗値上げもあり得る。

https://www.rt.com/business/582425-greedflation-ravaging-western-europe/

 ヒトの不幸をカネに変えたり、庶民の窮乏も儲けのタネにするのがグローバル金融資本主義である。原油高のせいでドルへの資金需要が拡大し、おかげで円安までくらっているのが、我が日本だ。

 もはや、根本的な「敵」が誰なのかはハッキリしている。戦争を継続し、戦争によりボロ儲けしようとするアメリカ帝国とその傀儡連中(国)だ。

 しかし、長年の日本国民として経験則から、「敵」が明白であろうと、革命が起こるわけではなく、政権交代も、自浄能力も期待できないのが、この国の現実である。

 その意味では、個人的には、アメリカ帝国の自滅と連動して日本国もゼロからやり直すくらいが、現実的シナリオではなかろうか、と考えている。

No.10 14ヶ月前

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