RT 22 Mar, 2021 緑の党は「米国エリートの手先」であり、ドイツの利益には無関心-メルケル首相の盟友がRTに寄稿 https://www.rt.com/news/518844-green-germany-election-us/ 緑の党がロシア主導のノルド・ストリーム2パイプラインを頓挫させようとしているのは、彼らがドイツの利益に関心がなく、米国の言いなりになっているからだと、経済学者でメルケル首相のCDU党員であるマックス・オッテ氏がRTに語った。 最新の世論調査では、9月24日に行われるドイツ連邦選挙で、緑の党は20%の得票率を獲得し、与党キリスト教民主同盟(CDU)に次ぐ第2党になると予想されている。 同党はノルド・ストリーム2パイプラインの建設を抑制することを公約に掲げている。ノルド・ストリーム2パイプラインは、ロシアのガスがバルト海の下を通ってドイツに直接流れ込むようにするもので、米国からガスを供給するよりも安くなる。既に95億ユーロを費やしたこのプロジェクトは、現在95%以上が完成している。緑の党は、このパイプラインは「気候やエネルギーに影響を与える」と主張する一方、ウクライナの利益を侵害するものだとも主張している。ウクライナ領内を迂回する新ルートが欧州へのガス配送に使われれば、キエフはトランジットマネーを失うかもしれない。 ウクライナに矛先を向けるのではなく、緑の党はドイツとEUの利益をもっと重視すべきだとオッテ氏は主張する。ドイツは現在、原子力や石炭からの脱却を図っており、ノルド・ストリーム2のような多様で信頼できる天然ガスの供給源を確保することが不可欠だと彼は説明する。 緑の党は「米国の国際主義エリートの手先」であるため、自国の利益に反する行動をしている、とCDUの政治家は主張した。 ノルド・ストリーム2の建設中止を要求することは、ドナルド・トランプの数少ない政策の一つであり、ジョー・バイデン新米政権が継続することを決定した。アントニー・ブリンケン米国務長官は最近、このプロジェクトに関与している欧州企業に対する制裁の脅威を改めて表明した。 「緑の党は非常に強引で、凡そ完全に米国の戦略に従っている。彼らはドイツのことなど考えていない。緑の党は、基本的にドイツを廃絶することを念頭に置いている政党だ」 しかし、それにも拘わらず、緑の党は連邦選挙で「勝算」がある。 その理由の一つはCDUの衰退であり、ドイツ国民は新型コロナのロックダウンや予防接種キャンペーンにおける「完全な混乱」に怒り、与党を非難している、と彼は指摘した。 キリスト教民主同盟は今月初めの州選挙で既に大きな打撃を受け、2つの重要な州で議席を失った。 「ドイツは戦後、これほど二極化したことはない。金持ちと貧乏人、田舎と都会、若者と老人、左翼と右翼、国粋主義者と愛国者―これらの間に断絶がある」 緑の党はこの分断を利用しつつ、新型コロナやグリーンエネルギーなど、いま国民が関心を寄せている問題についてもアジェンダを設定している。「そして、多くの人々が単に感情的な理由から、緑の党を支持している」 ノルド・ストリーム2やその他の差し迫った地政学的な問題については、「ドイツ人はそれについて考えていない......そして恐らく、手遅れになる前に、それについて考えることはないだろう―少なくとも、全体としては―」とオッテ氏は残念がった。 しかし彼は、ドイツ政界の多くも支持しているパイプラインが選挙前に完成し、緑の党が選挙で良い結果を出したとしても、それに反対する行動をとることがより難しくなることに期待を示した。 * 「手遅れになる前に、それについて考えることはないだろう」━まさに明日の日本でないか。いや、「いつもの」日本か。
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RT 22 Mar, 2021
緑の党は「米国エリートの手先」であり、ドイツの利益には無関心-メルケル首相の盟友がRTに寄稿
https://www.rt.com/news/518844-green-germany-election-us/
緑の党がロシア主導のノルド・ストリーム2パイプラインを頓挫させようとしているのは、彼らがドイツの利益に関心がなく、米国の言いなりになっているからだと、経済学者でメルケル首相のCDU党員であるマックス・オッテ氏がRTに語った。
最新の世論調査では、9月24日に行われるドイツ連邦選挙で、緑の党は20%の得票率を獲得し、与党キリスト教民主同盟(CDU)に次ぐ第2党になると予想されている。
同党はノルド・ストリーム2パイプラインの建設を抑制することを公約に掲げている。ノルド・ストリーム2パイプラインは、ロシアのガスがバルト海の下を通ってドイツに直接流れ込むようにするもので、米国からガスを供給するよりも安くなる。既に95億ユーロを費やしたこのプロジェクトは、現在95%以上が完成している。緑の党は、このパイプラインは「気候やエネルギーに影響を与える」と主張する一方、ウクライナの利益を侵害するものだとも主張している。ウクライナ領内を迂回する新ルートが欧州へのガス配送に使われれば、キエフはトランジットマネーを失うかもしれない。
ウクライナに矛先を向けるのではなく、緑の党はドイツとEUの利益をもっと重視すべきだとオッテ氏は主張する。ドイツは現在、原子力や石炭からの脱却を図っており、ノルド・ストリーム2のような多様で信頼できる天然ガスの供給源を確保することが不可欠だと彼は説明する。
緑の党は「米国の国際主義エリートの手先」であるため、自国の利益に反する行動をしている、とCDUの政治家は主張した。
ノルド・ストリーム2の建設中止を要求することは、ドナルド・トランプの数少ない政策の一つであり、ジョー・バイデン新米政権が継続することを決定した。アントニー・ブリンケン米国務長官は最近、このプロジェクトに関与している欧州企業に対する制裁の脅威を改めて表明した。
「緑の党は非常に強引で、凡そ完全に米国の戦略に従っている。彼らはドイツのことなど考えていない。緑の党は、基本的にドイツを廃絶することを念頭に置いている政党だ」
しかし、それにも拘わらず、緑の党は連邦選挙で「勝算」がある。
その理由の一つはCDUの衰退であり、ドイツ国民は新型コロナのロックダウンや予防接種キャンペーンにおける「完全な混乱」に怒り、与党を非難している、と彼は指摘した。
キリスト教民主同盟は今月初めの州選挙で既に大きな打撃を受け、2つの重要な州で議席を失った。
「ドイツは戦後、これほど二極化したことはない。金持ちと貧乏人、田舎と都会、若者と老人、左翼と右翼、国粋主義者と愛国者―これらの間に断絶がある」
緑の党はこの分断を利用しつつ、新型コロナやグリーンエネルギーなど、いま国民が関心を寄せている問題についてもアジェンダを設定している。「そして、多くの人々が単に感情的な理由から、緑の党を支持している」
ノルド・ストリーム2やその他の差し迫った地政学的な問題については、「ドイツ人はそれについて考えていない......そして恐らく、手遅れになる前に、それについて考えることはないだろう―少なくとも、全体としては―」とオッテ氏は残念がった。
しかし彼は、ドイツ政界の多くも支持しているパイプラインが選挙前に完成し、緑の党が選挙で良い結果を出したとしても、それに反対する行動をとることがより難しくなることに期待を示した。
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「手遅れになる前に、それについて考えることはないだろう」━まさに明日の日本でないか。いや、「いつもの」日本か。