りゃん のコメント

ヒトビトは愛国心を話題にするときには、できれば次の数点についても考えたらいいと思う。

1,ウクライナにも愛国心はあること。ウクライナは遅くともレーニンとローザ・ルクセンブルクがウクライナの位置づけについて論争したときから、ロシアに対して独立国なのであり、当然ロシアにやられたらやりかえす心は持っている(中共に対するフィリピンやベトナムも同じだ)。
一方のロシアはというと、ワグネル反乱でプリゴジン演説を聞いて以後は、ドンバス戦争のほとんどがロシアによる捏造ではないかとわたしは疑っているが(ロシアはチェチェン紛争でもアパート連続爆破事件について捏造をしたことが、リトビネンコによって明らかにされている)、仮に一定程度の紛争があったとしても、安保理常任理事国であるロシアは、安保理に持ち出して解決を図る努力をすべきであり、国際法違反の侵略をすべきではない(この点は何度も指摘しているが、まともな答えがかえってきたことがない)。

2,ヒトビトは、ベルリン暴動や、ポズナン暴動や、ハンガリー動乱や、プラハの春を思い出すこと。高校でまともに勉強しなかったために免疫がなく、大学で強烈な思想にさらされて、ますますまともな勉強をやめていっそうバカになるヒトもいるが、これらの事実はすべて一定レベル以上の高校なら学習しているはず(ずっと昔は教えなかったわけでもないだろう)のことで、しかもウクライナ侵略にも通ずることだ。
そのときどきの流行で纏う衣は異なる。当時は「社会主義への攻撃を許さない」といったようなことをソ連はいっただろうし、今は「DSの侵略を許さない」というようなことをロシアはいい、世界中の考えが足りないヒトビトがだまされるとわたしは見ている。しかしこうした流行の根本にあっていつの世も共通するのは、ロシアの拡張主義と暴力的支配だ。そしてそれに対する抵抗、愛国心が、たとえば「プラハの春」になるのだし、その自由化の波がロシアに波及することを恐怖する本能が、ロシアによる暴力的介入を招くのだ。
わたしは昨年の1月ごろは、実家にあった本多勝一を読み返していた(両親が読んだもので、一度こどものころに読んだことがある)。記憶に頼るが、本多は「米国のことを知りたければ米国黒人の話を聞け」というようなことを言う。つまり、敵のことはよくわかるという意味だ。これに従うならば、ロシアのことを知りたければ、ポーランドやバルト三国に聞けばいいということになる。かれらは「NATOにはいれ」というであろう。もちろん米国をすごく良い国だとか100%信頼しているとかというわけではないのだ。

3,大日本帝国の愛国主義についても、よく考えること。露による侵略がはじまって以後、わたしはこの場で何度か「開戦の詔勅」をときには全文を引用しつつ話題に出して、どうおもうか尋ねた。しかし、ヒトビトからまともな内容のある答えがかえってきたことはない。
当時日本と戦争していた蒋介石政府は英米の援助をうけていた。日本は英米をアジアから追い出して共栄圏をつくろうと何度も提起していた。当時の大日本帝国といまのロシアとはとりあえず似ているとわたしは感じる。
もっとも、大日本帝国は植民地解放をかかげ、実際に戦後アジアのほぼすべての国・地域が独立した。ロシアよりは大日本帝国のほうがよほどまともだというのがわたしの所見だ。

No.11 15ヶ月前

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