中庸左派 のコメント

>共和党の勢力は拡大し、第45代大統領(トランプ)の主導権は依然として保たれている。フロリダ州知事デサンティスもその任務に不適格であることを証明した。数字で見ると、デサンティス氏は全国的にもフロリダ州でもトランプ氏に後れを取っている。

 巨視的に見るなら、アメリカ帝国大統領選により世界の新たな潮流が明白になるのではないか、と期待している。

 勿論、それはバイデンネオコン軍産複合体政権が葬られることを期待しているのである。

「2024年の大統領選は、ネオコン策のバイデンと、覇権放棄のトランプとの一騎打ちになりそうだ。」とは田中宇氏の予想である。(「トランプの返り咲き」2023年5月31日)

https://tanakanews.com/230531uspol.htm

 要は、アメリカ帝国の覇権の行方を方向付ける争いとなるのだろう。

 既にアメリカ帝国の覇権は崩壊の過程にあり、多極世界に向けた奔流は押し止めることは不可能という見方がある。

 私自身も、その見方に与するものである。

 それで、直近のアメリカ帝国の悪あがき(覇権維持策)の状況を見てみる。

 ウクライナを舞台にしたアメリカ帝国NATOの代理戦争。

 どうやらウクライナ反攻は政治的ショー以上のものではなさそうだ。

Moon Of Alabamaの6月5日は「ウクライナの反攻が開始された」と題して記事を書いている。

「かねてから予告されていたウクライナの反攻が開始されました。これまでにない新しいウクライナの部隊が前線に登場した。

この攻撃は、ウクライナが「西側」のスポンサーからの圧力により、政治的な理由で開始したものである。軍事的に成功する可能性は低いが、ウクライナの軍事力の残りを食い潰すことになる。

攻撃は前線のあちこちで起こった。北はベルゴグラード方面、東は東部、そして最も勢いのあるのは南部である。今のところ、どの攻撃もほとんど成功していない。

ロシア国防省の日報によると、この24時間でウクライナ側が失ったものは、兵士910人、戦車16台、装甲戦闘車/歩兵戦闘車33台、トラック30台ほどである。

これまでのところ、ロシア軍の最も前方の陣地のみが攻撃されている。その背後には2〜3個の組織的な防衛線がある。ロシア軍は必要に応じていつでも後退し、砲兵と空軍が迫り来る敵を破壊することができる。」

 また元スウェーデン軍将校のツイートを引用している。

https://twitter.com/MikaelValterss1/status/1665646597688946692

「6月4日、UkrAFは南部戦線での攻撃作戦を拡大したが、長期的な成功を収めるには損失が大きすぎる。初期の作戦は主に小隊および中隊規模の戦闘集団による偵察であった。昨日のウクライナ軍は大隊規模の戦闘集団のようだった。ロシア国防省によると、UkrAFの8大隊はマラ・トクマチカの南東部(1)、ヴレミフカの突出部(2)、ヴフレダルの東でヴェリコノヴォセロフカに向かう攻撃作戦(3)に参加した。戦闘は熾烈を極めたが、主にロシアの激しい砲撃と空襲により、ほとんどの場所でウクライナ軍は追い返された。いくつかの場所では、UkrAF は数百メートルの撮影に成功しました。
...
[ロシアの数字が真実なら]ウクライナの反撃の見通しは非常に暗い。これは、UkrAF部隊の集中、弾薬、燃料貯蔵庫に対する現在進行中のロシアの激しい空軍と砲撃を考慮に入れていないとしてもだ。
KIAとWIAの損失が1000人を超えたことは、4000人のウクライナ旅団が人員の少なくとも25パーセントを失ったことを意味する。旅団が使えなくなる寸前だ。このような損失を抱えて 2 日間戦闘を続ければ、旅団の戦闘能力は破壊されてしまうでしょう。このような損失が24日間あれば、事実上、UkrAFが反撃のために集めた12旅団全体が壊滅することになる。約12個の旅団、25,000のKIA/WIA、250台の戦車、1000台のIFV/APCの損失により、UkrAFが過去6ヶ月間に構築した戦略的備蓄はすべて消滅することになる。その代わりに、ウクライナ側は場所によってはおそらく10km、より一般的には南部戦線の半分に沿って2〜3km前進できたはずだ。

もう一度言いますが、もしロシアの主張が真実であれば、RuAFは安堵し、UkrAFは6月4日の南部戦線での戦闘結果を非常に心配しているはずです。」

 加えて、MoAの著者は「私は、ロシア軍がウクライナの攻撃を放置して、弱体化したウクライナの防衛に対して独自の大規模攻撃を開始するのではないかと強く疑っている。」とまで書いている。

 アメリカ帝国らNATOの敗北はほぼ確定だろう。

 SCO、BRICs、サウジアラビアのアメリカ帝国からの離反、アメリカ帝国らの金融不安、ドル覇権の切り崩し等など、アメリカ帝国の覇権崩壊の兆候はいくつも認められる。

 そうなると、やはり問題と言わざるを得ないのは、日本における対米論調の十年一日の如き思考停止である。

 日本の主流権威筋メディアにおいて、トランプ対バイデンの闘いを、覇権放棄派対軍産複合体ネオコン覇権固執派の闘いという切り口で分析している報道を見たことがない。

 多極化というキーワードや切り口で見ると、スッキリ見えてくる現実があると思われるが、日本の主流権威筋メディアを通じると、曇りガラスの窓から外を眺めるようだ。

 アメリカ帝国の覇権崩壊が日本にどのような影響を与えるか、その時日本はどう生きるべきか?そんな切り口で国際情勢を分析する論調があっても良いはずだ。

 しかし、日本の言論空間はあくまでパックスアメリカーナを前提にしているかのようだ。永遠の覇権がありえないのは歴史が教えるところである。

 2024年のアメリカ帝国大統領選が、覇権放棄対覇権維持の決戦となり、もしも覇権放棄がアメリカの世界戦略となったとしたら、突然日本はユメから覚めて、ただ取り残されるのだろうか?

No.8 17ヶ月前

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