中庸左派 のコメント

「現代思想」のウクライナ特集を読む。

ざっくり目を通して停戦論に正面から向き合う論文が見当たらない(全部は読んでいませんが)。

思想する雑誌だから、ロシアプーチンの精神分析とか、ロシア史を通じたウクライナ侵攻の歴史的意義を文字通り評論家的に論じればよいというわけか?

そういう姿勢も分からないわけでは無い。

しかし、停戦=反戦を堂々と論じないことは、結果的に、停戦ではない!プーチンを打ち負かして、ロシアを弱体化させるのだ!みたいな親米派のあからさまな戦争長期化戦略と同一路線に与することと同じではないか?親米派によるあからさまな戦争長期化政策(武器供給や経済制裁)のほうが、分かりやすく、見抜きやすい非人道的行為だから批判は容易だ。

一方、停戦を語らない思想界が、結果的に親米派の補完勢力に堕しているなら、あからさまな親米派よりも罪深いのではなかろうか?

欧米には、堂々と停戦を論じる碩学泰斗がいるし、世論調査でも和平派は多数だという。しかし、我が国では、プーチンロシアによるウクライナ侵略というストーリーや糾弾一辺の大本営発表に抗う強靭な思想は望むべくもないものか?

少なくとも戦争中に停戦を正面から論じることの出来ない思想など、思想に値するだろうか?今、この瞬間にも、死を前にした他者の顔が助けを求めているというのに。

停戦は軍事力に勝るロシアがウクライナを敗北に追い込むことの是非とは関係なしに人命尊重の観点から考えるべきものだ。そもそも、国外に多数の難民を流出させ、西側による武器供給に頼るしか術のないゼレンスキーのウクライナは実体的に敗北しているのだから。

No.39 29ヶ月前

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