りゃん のコメント

このブログを読み返してみると、どうも、東部のロシア系住民を「少数民族」だとおもってるヒトがいるみたいなんですが、でも、報道をみると、「ロシア系住民」とは書いてあっても、「ロシア系少数民族」とは通常目にする限りでは書いてない。事情を知らないで読んでも、これはどうしてなのかって普通であれば考えると思います。

もちろん古くから住んでる人たちもいますが、多くは第二次大戦後やってきた人々で、都市をつくって集住しているらしい。まだいちばん長くても百年もたたない。三代四代と住んでるひとたちもいるでしょうけども、まだ「少数民族」とは言い難いとおもいます。「住民」がいつから「民族」になるのかは難しいですけどもね。

この人々をどうするかは、ソビエト崩壊後しばらくは大きな問題にはならなかったのですが、ウクライナ民族主義が勃興するにつれて、中には過激なヒトビトもあらわれてきた。もちろん「少数民族」であろうと「住民」であろうと、暴力で排除しようとするのはダメですが、「住民」であれば、われわれの常識からすれば、柔軟な解決策もあるはずです。

今回プーチンがやったのは、その「住民」保護の名目で、相手にネオナチのレッテルをはり、一方的にウクライナの領土を削り、さらには全土に侵略をしかけているわけであり、明らかに手段と手段の均衡を逸脱したとわたしはおもいます。むしろ東部地域を口実にウクライナ全土を属国化しようとしているとみえます。たしかにそうなれば、NATO問題も同時に解決しますがね。

東部地域が農業的にも鉱工業的にも豊かな場所であり、さらにクリミアにつづく重要な場所であることもプーチンとロシアの念頭にあるのは当然でしょう。

今回の記事のような論考は、「氷がとければ水になる」というような話で、そのとおりだとおもいますし、ロシアの考えを理解するのは重要ですが、今回の侵略戦争を「許す」理由にはならないし、その理由に使われてもならないとおもいます。

No.8 32ヶ月前

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