change のコメント

「憐れ」を実感するために「草枕」を持ち出したのでしょうか。
草枕の最後は、「余はこんな山里にきてこんな古雅な言葉でこんな古雅な話を聞こうとは思っていなかった。」

那美さんから「身投げして往生した末に水面に浮いている絵を描いてくれ」といわれたが、絵を描くことができなかった。絵を描くことができない理由を同じように最後の下りで見つけた感動が伝わってくる。

那美さんと野武士は思わず顔を見合わせた。鉄車はごとりごとりと運転する。野武士の姿はすぐ消えた。那美さんは茫然として汽車を見送る。その茫然のうちに不思議にも今まで見たことのない「憐れ」が一面に浮いている。

人間の心には「悟りと迷い」が同居していて、何かの拍子に表情が微妙に変化する。悟っていれば心が、円満に揺れ動くが迷っていれば心の円満さが欠け絵を描けないということでしょう。絵にならないともいうべきなのでしょう。

No.1 36ヶ月前

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