りゃん のコメント

ランキングをつらつら眺めていると、「貴州茅台酒」に目が留まる。この会社はランキングをみてもわかるようにトヨタよりも時価総額が大きいのである。たしか昨年、それがニュースになったので、そのとき記憶にひっかかっていた。

業種は、飲料メーカーと記されている。しかし知っているひとも多いとおもうが、この会社はマオタイ酒のメーカーである。実質的に所有しているのは貴州省の政府で、つまりいわゆる公有企業である。

日本産ウイスキーなども、最近高値で取引されているが、貴州茅台酒(製品である酒)も最近非常な高値で取引されている。投機や投資の対象になっているのである。それにともなうブランド戦略や販売戦略が大成功して「貴州茅台酒」(会社)の時価総額が上がったというのがいちおうの説明だとおもう。

こういう酒の中心にあるのは趣味の世界である。やみつきになるひとびともいるのだと聞いたことがある。一方、わたし自身はある席で一度貴州茅台酒(最高級の部類だということだった)をふるまわれたことがあるが、かわった酒だとおもったものの、別に自分の人生になくてもいいとおもった。

何が言いたいのかというと、こういうものをつくる会社(しかも大量生産というわけでもない)が、たとえ大成功していたとしても、トヨタ以上だというのは、明らかにバブル、そうでなければ、作為的な操作があるだろうということだ。とくに具体的根拠があって言っているのではないが、自分の常識はそう告げる。公有企業であることからすると、政治家にがっつり絡んでいるのかもしれない。

ほかにも第一位のテンセントと第三位のアリババは中国軍とつながりがあるだけでなく、最近は、習近平政権との関係が微妙になっているのは周知の事実だ。

どこの国の株式市場も政治と無関係ではないが、中国はそれがとくに色濃い。中国経済の巨大さを知らないわけではないが、時価総額などを問題にするときには、冷静に批判的に見る眼が必要であろう。

そういう眼が日本で最もないのが、自民党二階派や公明党のヒトビトだが、不思議なことに、ひごろ自民党を批判してやまないのに、中国経済をみるときには、自民党二階派にそっくりなおじいさんたちが、ネットではときどき見られる。

不思議である。

No.5 38ヶ月前

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