辛淑玉なんかの書いてることを引用するなんて、と個人的意見としてはおもいますが・・・ まあそれはそれとして、「ネトウヨ」(※)を30円で雇うという、なんか面白そうな記事だったので、ちょっとググってみた。 辛淑玉の記事の元ネタになったところはすぐにわかった。LANCERSという仕事募集サイトにのった記事だった。 (「安倍政治を応援している方、テレビの左翼的傾向が許せない方、産経新聞の論調に好感を持っている方」という表現が辛淑玉の記事といっしょ)。 http://my.shadowcity.jp/2017/09/post-11881.html#comments ※ いままで何度か説明したが、「ネトウヨ」というのは、本来的に差別的意味のこもった言葉だし、しかも大半のひとびとが「自分の気に入らない保守的なヤツ」程度の意味に誤用しているので、まともな人はできれば使わないほうがいいとわたしはおもう。面倒でも、なにか別の表現を工夫すべきだろう。 CROWDWORKSというサイトでも別の募集がみつかった。こっちは一件800円。 https://plaza.rakuten.co.jp/hakkapan/diary/201709230001/ あと阿修羅にもとりあげられてるのがみつかったが、さすがにここはurlを紹介するだけで自分のレベルが下がるので、興味があるひとは自分でさがしてほしい。すぐ見つかる。 どれも2017年の出来事ということで、『マスコミ市民』の当時の記事なのか、それとも、辛淑玉が最近知って『マスコミ市民』の最近号に書いたのか。いずれにせよ、「旬」じゃない感がはなはだしい。 LANCERSに依頼していたとおもわれる nakayoshi-togi というサイトを調べてみると、このサイトは今もあった。 https://nakayoshi-togi.com/ 内容を少し読んでみると、別に「ネトウヨ」御用達という感じはなく、むしろ自民党批判的な記事もあった。ふだんのブラウザを使わずにわざわざ素の microsoft edge でみると、広告が出てきたので、この「なかよし討議!」というサイトは、アフィリエイト広告手数料目的で、2017年当時、アクセス数を増やしたかっただけだと結論づけた(想像が混じるが)。30円という金額は、文章の長さにもよるが、ボールペンを組み立てるのに対する報酬に比べれば、むしろ良心的かも。いずれにせよ、ちゃんと働いて稼ごうとする人々にたいして、「荒廃した心象風景」とは、サヨクのくせに労働者に対して失礼じゃないか(まあ、本当の左翼なんかは日本にほとんどいないわけですが)。 孫崎さんがもし知らなければ知っておいたほうがいいとおもうけど、ネットには膨大な文章が置いてあるが、これらすべてが自発的・非営利的に書かれたものとは限らないし、自分の主義主張に沿ったことを書いているとも限らない。たとえば、最近でいえば「ワクチン陰謀論」「ワクチン危険論」なんかの文章を置いているサイトは、カネを受け取っている「ライター」が少なからず参入しているにちがいないが、そのひとびとが真に「ワクチン陰謀論」「ワクチン危険論」を信奉しているかは不明だ。しかし、文章をありがたく読むヒトビトがいるので、文章が供給されるというわけだ。 この「ライター」たちは言論を売るという意味では、朝日新聞なんかと同じだ。しかし、朝日新聞が最近はカネだして読んでもらえなくてどんどん左前なのに、他人に読んでもらえる文章を他人の欲望に応じて書いているという意味では立派とすらいえるのではとおもう。 もちろん、言論誘導目的で多量に自分の主義主張に沿ったことだけを書きこんでいる集団もあるとおもう。自民党はやっているというウワサもあるが、共産党にもネット部隊のようなものがあるというウワサも聞くし、ネットでよく見かける集中的なtwitter demo. や最近でいえば森五輪組織委会長の辞任騒動のときのネットにおける攻撃なんかも中心に居たのはそれだろう。それらはどれも、まったく見知らぬひとびとにカネを払って依頼するというよりは、すでに人的・金銭的つながりのあるひとびとに依頼するというかたちでやっているのがほとんどではないかとおもう。おもうに、すでに人的・金銭的つながりのあるひとびとに依頼するのが、立派ともいえないのではないか。短いコメントの大半は、しょせんは程度の低いののしりだし、大学や学術会議のような組織を私物化し、つながりの源泉が税金だったりするのもサヨクだ。 ところで、直接的にカネを払って言論誘導するのを、世界でもっとも大々的にやっているのは、中国共産党で、実行部隊のことを「五毛党」という。面倒なので説明しないが、Wikipediaで五毛党を調べれば、内容はわかる。孫崎さんがもし知らなかったのであれば、ぜひ知ってほしい。 以上のようなことを背景に知っていれば、辛淑玉のいうことにも、紋切型をこえて、いくらか深い感想を感じるだろう。
チャンネルに入会
フォロー
孫崎享チャンネル
(ID:13458971)
辛淑玉なんかの書いてることを引用するなんて、と個人的意見としてはおもいますが・・・
まあそれはそれとして、「ネトウヨ」(※)を30円で雇うという、なんか面白そうな記事だったので、ちょっとググってみた。
辛淑玉の記事の元ネタになったところはすぐにわかった。LANCERSという仕事募集サイトにのった記事だった。
(「安倍政治を応援している方、テレビの左翼的傾向が許せない方、産経新聞の論調に好感を持っている方」という表現が辛淑玉の記事といっしょ)。
http://my.shadowcity.jp/2017/09/post-11881.html#comments
※ いままで何度か説明したが、「ネトウヨ」というのは、本来的に差別的意味のこもった言葉だし、しかも大半のひとびとが「自分の気に入らない保守的なヤツ」程度の意味に誤用しているので、まともな人はできれば使わないほうがいいとわたしはおもう。面倒でも、なにか別の表現を工夫すべきだろう。
CROWDWORKSというサイトでも別の募集がみつかった。こっちは一件800円。
https://plaza.rakuten.co.jp/hakkapan/diary/201709230001/
あと阿修羅にもとりあげられてるのがみつかったが、さすがにここはurlを紹介するだけで自分のレベルが下がるので、興味があるひとは自分でさがしてほしい。すぐ見つかる。
どれも2017年の出来事ということで、『マスコミ市民』の当時の記事なのか、それとも、辛淑玉が最近知って『マスコミ市民』の最近号に書いたのか。いずれにせよ、「旬」じゃない感がはなはだしい。
LANCERSに依頼していたとおもわれる nakayoshi-togi というサイトを調べてみると、このサイトは今もあった。
https://nakayoshi-togi.com/
内容を少し読んでみると、別に「ネトウヨ」御用達という感じはなく、むしろ自民党批判的な記事もあった。ふだんのブラウザを使わずにわざわざ素の microsoft edge でみると、広告が出てきたので、この「なかよし討議!」というサイトは、アフィリエイト広告手数料目的で、2017年当時、アクセス数を増やしたかっただけだと結論づけた(想像が混じるが)。30円という金額は、文章の長さにもよるが、ボールペンを組み立てるのに対する報酬に比べれば、むしろ良心的かも。いずれにせよ、ちゃんと働いて稼ごうとする人々にたいして、「荒廃した心象風景」とは、サヨクのくせに労働者に対して失礼じゃないか(まあ、本当の左翼なんかは日本にほとんどいないわけですが)。
孫崎さんがもし知らなければ知っておいたほうがいいとおもうけど、ネットには膨大な文章が置いてあるが、これらすべてが自発的・非営利的に書かれたものとは限らないし、自分の主義主張に沿ったことを書いているとも限らない。たとえば、最近でいえば「ワクチン陰謀論」「ワクチン危険論」なんかの文章を置いているサイトは、カネを受け取っている「ライター」が少なからず参入しているにちがいないが、そのひとびとが真に「ワクチン陰謀論」「ワクチン危険論」を信奉しているかは不明だ。しかし、文章をありがたく読むヒトビトがいるので、文章が供給されるというわけだ。
この「ライター」たちは言論を売るという意味では、朝日新聞なんかと同じだ。しかし、朝日新聞が最近はカネだして読んでもらえなくてどんどん左前なのに、他人に読んでもらえる文章を他人の欲望に応じて書いているという意味では立派とすらいえるのではとおもう。
もちろん、言論誘導目的で多量に自分の主義主張に沿ったことだけを書きこんでいる集団もあるとおもう。自民党はやっているというウワサもあるが、共産党にもネット部隊のようなものがあるというウワサも聞くし、ネットでよく見かける集中的なtwitter demo. や最近でいえば森五輪組織委会長の辞任騒動のときのネットにおける攻撃なんかも中心に居たのはそれだろう。それらはどれも、まったく見知らぬひとびとにカネを払って依頼するというよりは、すでに人的・金銭的つながりのあるひとびとに依頼するというかたちでやっているのがほとんどではないかとおもう。おもうに、すでに人的・金銭的つながりのあるひとびとに依頼するのが、立派ともいえないのではないか。短いコメントの大半は、しょせんは程度の低いののしりだし、大学や学術会議のような組織を私物化し、つながりの源泉が税金だったりするのもサヨクだ。
ところで、直接的にカネを払って言論誘導するのを、世界でもっとも大々的にやっているのは、中国共産党で、実行部隊のことを「五毛党」という。面倒なので説明しないが、Wikipediaで五毛党を調べれば、内容はわかる。孫崎さんがもし知らなかったのであれば、ぜひ知ってほしい。
以上のようなことを背景に知っていれば、辛淑玉のいうことにも、紋切型をこえて、いくらか深い感想を感じるだろう。