りゃん のコメント

日本医師会会長の中川氏は「『Go To トラベル』自体から感染者が急増したというエビデンスはなかなかはっきりしないが、きっかけになったことは間違いないと私は思っている」と言ったのである。この、「エビデンスはなかなかはっきりしない」「私は思っている」(=個人的な意見)という点を、孫崎さんの記事では述べていない。

また、政府は、「『Go To トラベル』が感染増加の主要な原因であるというエビデンスはない」と言っている。この点も孫崎さんの記事では述べていない。政府(西村経済再生担当大臣、加藤勝信官房長官など)のもとに多数の専門家がこの問題で働いており、中川氏が医師会長だとはいえ、常識的に政府は中川氏よりも豊富で正しい情報を得ているはずだし、こうしたことで政府が嘘をつくとはおもえない。

以上2点は、孫崎さんに失礼をかえりみず言うが、今回の記事の重大な欠陥ではないか。孫崎さんの主張がGO TO トラベルをやめるべきだというのなら、こういう点をきっちり示さなければ、逆に説得力が低くなるとおもう。

また、さきほどやっと20日の分科会後記者会見動画を見終わったが、孫崎さん記事中の「結論として、政府、東京都は国民への呼びかけは行うも、自ら何らの政策を実施していない」というのも、言い過ぎであろう。政府(西村経済再生担当大臣、尾身茂会長)が国民の心理面まで含めて現状をきっちり把握分析し今後を予想していることは明らかで、GO TO トラベルについても、きめ細かい見直しに前向きなのであり、会食についての呼びかけもおこなっている。これはじゅうぶん政策を実施しているといえよう。

そもそもチャイナ肺炎に対しては、国民の行動制御がキモなのであり、とくに日本では強権的な措置をとりにくい法体系にあり、呼びかけが主要で重要な手段であることを忘れるべきではない。

わたし自身は最近も書いたが「冬になる前に(もうほとんどなってしまったが)、感染者数を極小化すべきだ」という論者であるが、この問題の操縦は経済面も考えた場合きわめて難しいのも明らかで、今回の政府の対応は理解できる範囲内だ。

ところで、不安心理につけこんで極端なことをいうヒトもいる。なかでも今回のコメント欄では、WHOを日本国憲法よりも上位におこうというヒトがいて、おどろいた。よく知られているように、WHOは中国が牛耳る機関だ。チャイナ肺炎を機会に、一気に日本を中国の従属国にしてしまい、日本も全体主義にしてしまおうという、広い意味でのショック・ドクトリンなのであろうなと思いながら読んだ。

No.19 48ヶ月前

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