りゃん のコメント

タイトルにおいて、孫崎さんは、いじめ問題を学術会議問題に結びつけているようにみえるが、これは無理である。任命されなかった人たちや、共産党、朝日新聞などその応援団たちは、いまの日本社会のなかで、少なくともいじめられっ子ではない。

「異なる考えへの不寛容」というところまで抽象化すれば共通点があるのではないかというかもしれないが、日本中のあらゆる「任命権者」の任命行為をそうやって縛るつもりなのだろうか。「任命権者」が(法的な縛りがある場合はそれに従いつつ)自分の考えによって任命行為をすることこそが「任命権者」に求められることであり、それを邪魔する方が違法である。

そもそも、「異なる考えへの不寛容」という心理的なことをいじめの原因として持ち出すのがおかしいとわたしはおもう。いじめは、外的にあらわれた行為の問題であって、こころのなかでなら、自分とは異なる考えに対していくら不寛容であっても、まったくかまわないのではないか。逆に、「異なる考えへの寛容」など不自然なことをこどもに心理的に強制したりしたら、それこそいじめを誘発しかねないとすらおもう。

自分とは異なる考えの相手は、そういう相手として、外的なあらわれとしてはきれいな接し方をすることこそが、ある程度以上成長したこどもに教育すべきことであり、この場でも求められていることではないだろうか。

それにしても、今回の学術会議問題では、法的な理屈もなにもかなぐり捨てて、学術会議の現状を維持したいヒトビトや、その応援団がいることには、じつはかなり驚いた。またポジショントークをする憲法学者には、あらためて幻滅した。こうしたヒトビトは、普遍的に立派なヒトビトとしての位置から汚れにまみれた自民党政権を批判していたはずなのに、そうではなかったようだ。自民党は支持しないが、こうしたヒトビトが政権をとったら、確実に自民党よりひどい政治をするとおもっている。

No.15 49ヶ月前

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