りゃん のコメント

この調査では、小泉が高く評価されていて、次期首相という点ではあまり参考になる調査とは思えない。要するに現時点での安倍や政府の政策が強く批難されているという点を読み取るべきなのだろう。


一方、NHKのおこなった調査では、自民党の支持率はわずかながら伸びている。現在の、政策議論どころではない既存野党の様子を見ていると、安倍政権には批判的、政府がどう言おうが勝手に自粛、しかし結局のところは自民党がだしてくる政策に期待するしかない日本国民の姿がうかんでくるようにおもう。


10月に臨時国会がひらかれるのだろうが、そこで政府自民党側がだしてくる政策が明らかになれば、世論における安倍の評価がかわってくる可能性はあるとみている。おそらく、チャイナ肺炎事態を教訓に、感染症以外の面まで含めた非常事態法制の議論にきりこんでくるのではないか。その流れで9条改正を正面にかかげて解散総選挙に向かう可能性もある。また、米中対立に対応するための権限の強い政府組織の新設もあるかもしれない。ひとことでいえば、ファシズム的な政策ということになろうが、チャイナ肺炎事態をへて、むしろ歓迎する日本国民は多いのではないかとみている。


おもうに、チャイナ肺炎は、日本のみならず、世界各国の国民の意識に影響し、ひいては今後の政治や国際関係に大きな影響を与えるできごとであった。


各国とも、本質的に不確実な科学的知識しかないなか、国民性や現在の国情で可能な対策をチャイナ肺炎に対しておこなっている。しかもまだ現在進行形で、評価は将来に委ねられるだろう。しかしひとついえそうなのは、中国のようなファシズム国家がこういう場合に高い機動性を発揮できるということだ。率直にいって公衆衛生とファシズムの相性はいいのだ。


いわゆる「ポストコロナ」の時代、米国も含め、各国ともたぶん、今よりは多少ファシズム的になることに人々の政治的選択が向かうのではないか。PCR全数検査のような表面的なことではなく、それを成り立たせる仕組みを中国からは参考にすべきだと人々は考えるようになるだろう。


では、現代のファシズムの本家である中国自体は今後どうなるだろうか。大恐慌からナチスドイツはいちはやく立ち直り、その姿をみてファシズムにこそ未来をみた、近衛文麿などのヒトビトが日本にもいる。今も安易に同じように結論するヒトビトは多かろう。しかし、中国のファシズムは、ナチスドイツと同様、すでに強烈な副作用をともなっている。中国は思想や生き方も公衆衛生的な問題とみなしている。ここに対する各国からの異質感は、さまざまな具体的な証拠とともに、さらに高まるのではないか。


また、ナチスドイツの経済復興は、米国資本の投資があってこそだったことも今ではわかっている。そうすると、米国と本格対立しようとしているいまの中国には未来はないと考えることもできようし、そのあたりの見極め、すなわち大統領選後の米国や、それを受けた中国の指導部の意思がどこに向かうかが今後の重要視点であろう。




No.4 52ヶ月前

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