りゃん のコメント

尖閣について、ほんとうに暗黙の合意があったのだとしよう。

棚上げ合意の棚上げというのは、田中・周会談のあった時点での現状維持ということであろう。
そのころ、八重山の漁師は尖閣周辺で漁撈をいとなんでいた。ときには上陸したこともあったときく。
孫崎さんにお聞きしたいが、それ以外の現状維持とはなんだろう?
いま、中国船の領海侵犯のため、事実上漁撈はできない。

田中・周会談ののち、中国は領海法を制定した。国内事務的にも、棚上げ合意を破ったのは中国のほうからなのだ。
「釣魚島及びその附属島嶼は古来中国固有の領土であり、日本側が何を言い、何をしようとも、この事実を変えることはできない。釣魚島に対する中国の主権には十分な歴史的根拠と法理上の根拠があり」
というのも大嘘だ。逆に、1960年代ころまで、尖閣を日本領と中共が考えていた証拠は多数ある。

わたしは、いま少し暗い楽しみを思わずにはいられない。尖閣は、中共内部の権力闘争しだいでは、中国人が上陸してなんらかの建造物をたてる瀬戸際にある。
米軍が動くはずはなく、安倍政権もなにもできないだろう。

中国人が上陸してなんらかの建造物をたてたそのとき、孫崎さんはどういうだろう。ほかのひとは、なんのかんの、中国のいうとおりを言うに違いない。

しかしきっと孫崎さんなら、中国に、「田中・周会談のあった時点での現状維持せよ」との論陣を張ってくれるにちがいない。
言論人としての誠実さが正面から問われる場面である。

No.11 48ヶ月前

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