このニュースはこの記事ではじめて知ったが、よく読んでみると、

１、A社の社員が私的な交友関係トラブルでおこした事件。事件は殺人で重大だが、A社そのものがその業務に関しておかした事件というわけではない。こういう場合の相場として３ヶ月の指名停止が軽いのか重いのかわたしには不明だが、いずれにせよ処分を決めるのは市長でそれを監視するのは市議会であり、さらに市議会で議論はされているようだ。
２、萩生田文科相とA社との関係は、A社の代表取締役会長が萩生田文科相の政治団体の事務局長であるということと、萩生田文科相の事務所がA社の所有物件を賃借しているということ、A社が萩生田文科相に政治献金していることのみっつらしく、萩生田文科相がA社の経営に口を出す関係であるとはなっていない。

以上の事実関係をもとに、この事件を「萩生田文科相のカネ絡みの「疑惑」」と報道する感覚は自分にはわからない。孫崎さんも「不思議に安倍首相側近の不祥事が出てくる」とトボけたことを書いているが、AERAがそういう意図で書いているのだから、不思議でもなんでもない。「カネ絡みの「疑惑」といえば、川崎市議会の献金関係を丹念に調査したような報道の方を、わたしなら、よほど読みたい。

前にも書いたグラムシ流の文化的ヘゲモニー戦略にもとづいて、こういう記事をどんどん出しているのだとおもうが、意図はまるっとお見通しだとおもうとともに、のせられるヒトビトも情けないとおもうしかない。まあ、AERAなんか読んでいるひとも、ほとんどいないとおもうけども。