「ダークナイト」と「ジョーカー」は別々の映画として楽しむこともできるけれど、やはり一括して語りたくなってしまう。この二作によって、非常に心揺さぶられる悪が描かれることになった。 そしてこれによって、2020年代のいつか、次につくられるバットマン映画のなかで、バットマンのほうがどのように描かれるのか、とても楽しみになった。バットマンは単純な正義の人ではないが、しかし究極的に悪であってはならない。この縛りの中で、どのような正義が描かれるだろうか。 正義と悪というテーマはキリスト教国である米国が、それこそゾロアスター教以来の伝統をとりこみながら、何度も問うている内容だ。問えば問うほど正義も悪も捉え難くなる。善悪を単純にしかとらえない老人もいるが、そういう人のアタマでは、映画のテーマにかすりもしないだろうとおもう。 たとえばトランプがシリアから兵をひきあげようとしている。米国内でも日本でもある種のヒトビトは歓迎するだろう。撤退はある意味正義なのかもしれない。しかし、クルドの運命をおもうときわたしなどは悄然とする。米国がクルドを裏切るのはこれがはじめてではない。それでも米国に協力せざるをえないクルドの運命は、もちろんひとごとではない。
チャンネルに入会
フォロー
孫崎享チャンネル
(ID:13458971)
「ダークナイト」と「ジョーカー」は別々の映画として楽しむこともできるけれど、やはり一括して語りたくなってしまう。この二作によって、非常に心揺さぶられる悪が描かれることになった。
そしてこれによって、2020年代のいつか、次につくられるバットマン映画のなかで、バットマンのほうがどのように描かれるのか、とても楽しみになった。バットマンは単純な正義の人ではないが、しかし究極的に悪であってはならない。この縛りの中で、どのような正義が描かれるだろうか。
正義と悪というテーマはキリスト教国である米国が、それこそゾロアスター教以来の伝統をとりこみながら、何度も問うている内容だ。問えば問うほど正義も悪も捉え難くなる。善悪を単純にしかとらえない老人もいるが、そういう人のアタマでは、映画のテーマにかすりもしないだろうとおもう。
たとえばトランプがシリアから兵をひきあげようとしている。米国内でも日本でもある種のヒトビトは歓迎するだろう。撤退はある意味正義なのかもしれない。しかし、クルドの運命をおもうときわたしなどは悄然とする。米国がクルドを裏切るのはこれがはじめてではない。それでも米国に協力せざるをえないクルドの運命は、もちろんひとごとではない。