孫崎さんが今回掲げている「田中総理・周恩来総理会談記録」はこの問題ではかならずでてくる文書だが、別に条約ではない。 その内容も、【中国側が尖閣諸島の棚上げを提案した】と読めなくもない、という程度である。 そのうえ、たとえ【中国側が尖閣諸島の棚上げを提案した】と読んだとしても、日本側がその棚上げ提案に合意したと読める要素はまったくない。 その証拠に、孫崎さん自身が、文中では(中国側が)「実質的には尖閣諸島の棚上げを提案したと言ってよい」と書いてはいるが、「実質的には尖閣諸島の棚上げに両者が合意した」とは書いていない(今回の文章の最後のところ)。なんとなく読めば読み過ごすが、提案と合意はまったく意味が違う。孫崎さんはそこを証明なしにごまかしているのだ。 「田中総理・周恩来総理会談記録」を精確に読めば、田中・周会談において、そうした合意はなかったことの、逆に、証拠になっているといえよう。 さらに、かりに譲りに譲って孫崎さんの立場、つまり「日本管轄で棚上げ合意」があったのだとしても、そうだとすれば、「日本管轄で棚上げ合意」があったのだとしか、中国側は言えないはずだ。「(略)釣魚島は中国固有の領土だ」など、まさに盗っ人猛々しい主張だとしかいいようがないが、孫崎さんは何も言わない。 こういうのが 忖度 である。 当時、中ソ対立を背景に、ニクソンが訪中し(米中接近)、日本も米国への対抗心から中国(中共)と国交正常化を急いだといわれている。国交正常化自体は、日本政府に都合が良く、中国政府も喜ばない理由はなかった。つい数日前に新聞は操作されるという記事を読んだばかりなのに、日中双方からどんだけカネやらオンナやらを世話されていたかわからないメディアを信じてしまうヒトビトもいるのだろう。 賢くならなければどうにもならないとおもう。
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孫崎享チャンネル
(ID:13458971)
孫崎さんが今回掲げている「田中総理・周恩来総理会談記録」はこの問題ではかならずでてくる文書だが、別に条約ではない。
その内容も、【中国側が尖閣諸島の棚上げを提案した】と読めなくもない、という程度である。
そのうえ、たとえ【中国側が尖閣諸島の棚上げを提案した】と読んだとしても、日本側がその棚上げ提案に合意したと読める要素はまったくない。
その証拠に、孫崎さん自身が、文中では(中国側が)「実質的には尖閣諸島の棚上げを提案したと言ってよい」と書いてはいるが、「実質的には尖閣諸島の棚上げに両者が合意した」とは書いていない(今回の文章の最後のところ)。なんとなく読めば読み過ごすが、提案と合意はまったく意味が違う。孫崎さんはそこを証明なしにごまかしているのだ。
「田中総理・周恩来総理会談記録」を精確に読めば、田中・周会談において、そうした合意はなかったことの、逆に、証拠になっているといえよう。
さらに、かりに譲りに譲って孫崎さんの立場、つまり「日本管轄で棚上げ合意」があったのだとしても、そうだとすれば、「日本管轄で棚上げ合意」があったのだとしか、中国側は言えないはずだ。「(略)釣魚島は中国固有の領土だ」など、まさに盗っ人猛々しい主張だとしかいいようがないが、孫崎さんは何も言わない。
こういうのが 忖度 である。
当時、中ソ対立を背景に、ニクソンが訪中し(米中接近)、日本も米国への対抗心から中国(中共)と国交正常化を急いだといわれている。国交正常化自体は、日本政府に都合が良く、中国政府も喜ばない理由はなかった。つい数日前に新聞は操作されるという記事を読んだばかりなのに、日中双方からどんだけカネやらオンナやらを世話されていたかわからないメディアを信じてしまうヒトビトもいるのだろう。
賢くならなければどうにもならないとおもう。