河野外相が「相互防衛義務を負うNATOの国と日本で地位協定が異なることはあり得る」「一部を取り出しての比較は意味がない」と述べているとおりで、それにつきます。わたし自身も、この場でそういう意味のことを書いたことがあります。 東京新聞は「開き直りに聞こえる」とコメントしていますが、つまり、なにか具体的な事実や論理では反論できず、印象論を持ち出すしかないということです。 ひとつ注意しておくと、河野外相のコメントのなかでNATOということばがあるので、NATO的な集団的軍事同盟が大事なのだと誤解する向きもあるかもしれませんが、本質的なのはNATOではなく相互防衛義務のところです。たとえばNATOが解体して、ドイツが米国となんの軍事条約も結ばず、米軍基地をドイツ領内から完全に追い出しても、イタリアが米国と相互防衛条約を結ぶと言うことは考えられ、その場合のイタリアは米国と対等な立場で地位協定を結ぶことでしょう。なお、「緑の党」が存在感をましているドイツでNATO脱退というようなことが起こりうるかと考えるに、EUが解体方向ななか、露仏同盟の過去をおもいだすと、ドイツが米国との関係を絶つとは、わたしにはまったくおもえません。 地位協定の不平等を改善するには、1、安保条約を完全に廃棄して日本独自に防衛する 2、日米相互防衛条約を結ぶ のどちらかしかありません。そして1については、日本の有権者のなかでは戦後一貫して多数派になりませんでした。わたしは2にするしかないとおもっているし、前にもこの場で書いたことがあります。 そして1にするにしても2にするにしても、9条2項の削除が必要です。
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孫崎享チャンネル
(ID:13458971)
河野外相が「相互防衛義務を負うNATOの国と日本で地位協定が異なることはあり得る」「一部を取り出しての比較は意味がない」と述べているとおりで、それにつきます。わたし自身も、この場でそういう意味のことを書いたことがあります。
東京新聞は「開き直りに聞こえる」とコメントしていますが、つまり、なにか具体的な事実や論理では反論できず、印象論を持ち出すしかないということです。
ひとつ注意しておくと、河野外相のコメントのなかでNATOということばがあるので、NATO的な集団的軍事同盟が大事なのだと誤解する向きもあるかもしれませんが、本質的なのはNATOではなく相互防衛義務のところです。たとえばNATOが解体して、ドイツが米国となんの軍事条約も結ばず、米軍基地をドイツ領内から完全に追い出しても、イタリアが米国と相互防衛条約を結ぶと言うことは考えられ、その場合のイタリアは米国と対等な立場で地位協定を結ぶことでしょう。なお、「緑の党」が存在感をましているドイツでNATO脱退というようなことが起こりうるかと考えるに、EUが解体方向ななか、露仏同盟の過去をおもいだすと、ドイツが米国との関係を絶つとは、わたしにはまったくおもえません。
地位協定の不平等を改善するには、1、安保条約を完全に廃棄して日本独自に防衛する 2、日米相互防衛条約を結ぶ のどちらかしかありません。そして1については、日本の有権者のなかでは戦後一貫して多数派になりませんでした。わたしは2にするしかないとおもっているし、前にもこの場で書いたことがあります。
そして1にするにしても2にするにしても、9条2項の削除が必要です。