change のコメント

ベネディクトは、米国の文化人類学者であり、異文化理解の相対論者であり、全く体験したことのない日本文化に対して驚嘆と愛情を注いだ。

西欧文化の本質は、「罪と罰」を意識した内的良心を意識しており、日本文化の本質は「恥、序列」という外的批判を意識している。
強者弱者の見方が大きく異なっている。日本では、強者は個人的な幸福を顧みず、自らの義務を全うする自制心に重きを置いており、西洋人は因習への反逆や障害を乗り越えて幸せをつかむことだといっている。

「恥」を「各々その所を得」「階級序列」の感覚といっており、日本が180度転換したのは、太平洋戦争だけでなく、薩英戦争に負けた薩摩藩、下関戦争に負けた長州藩は、英国に永遠の復讐を誓うのでなく、英国との友好を求めたといっている。
太平洋戦争に負けて、日本人は「アメリカ当局を自分たちの国日本における階級序列の最高位としてうけいれた。日本人の特質は、持てる力のすべてを一つの行動方針に投入し、それに挫折すると、別の行動方針を簡単に採用するーあたかも人生の時がいつも真新しいページに切り替わっていくようなものである。日本人は絶対的観念や哲学に沿って行動するのでなく、常に相対的な序列に応じ実利的行動をする。善悪を絶対的基準にする「罪と罰」の文化でなく、名誉を基準にし「恥」の文化が行動規範となっている。

日本人は、日本の文化をさげすむことなく、日本人の特質として生かす道を求めるべきでしょう。ベネディクトとか小泉八雲の書物が駐留軍で日本理解の書物として読まれたのは、日本をさげすむのでなく、日本を理解していこうという強い姿勢から出ていることを意識すべきでしょう。

No.2 68ヶ月前

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