りゃん のコメント

検察審査会(検審)は、法律によれば、有権者から無作為抽出された11人で構成され、過半数で不起訴不当決議、3分の2多数(8人)で起訴相当決議ができる。不起訴不当決議の場合は、それを受けた検察がふたたび同じ理由で不起訴とすれば、再度の検審への不服申し立てはできなくなる。

というわけで、現在、ボールは検察にあるが、検察にはぜひ、国有地売却問題をめぐる背任容疑についての、「当時の財務省近畿財務局管財部次長と統括国有財産管理官、上席国有財産管理官、国土交通省大阪航空局職員の4人」については、起訴して欲しいとおもっている。というのは、以前にここで書いたが、「学園側で交渉にあたっていた弁護士」が、この問題については多くを知っているはずなのにオモテにでてきてない。しかし現場の交渉官の背任容疑での裁判となれば、この弁護士が、証人として法廷に出てきて語らざるをえないことになるだろうからだ。

なお、記事をよく読めば、籠池氏からのクレームにさらされていた統括国有財産管理官が「自己保身のため」、「学園側の希望価格に近づけるために売却価格ありきで値引きし、国有地を売り払ってしまう方向に動いたと推認できる」とある。まさにこの「自己保身」というのが具体的になんであったのかが、一般国民の知りたいところであろう。裁判となればここが晒されるはずだ。

新聞的には、「安倍首相の意図を忖度した佐川氏などが、財務省近畿財務局管財部次長に圧力をかけ、こんどは財務省近畿財務局管財部次長が、統括国有財産管理官に(出世などを材料に)圧力をかけた。それが自己保身」となれば面白いのだろうが、役所の中央と地方とは一般的にはそういうふうにはできていないと聞くし、そもそも自己保身がそういう内容なら、検審は起訴相当と決議するだろう。

なんにせよ、検察にはぜひ起訴してもらいたい。

No.4 68ヶ月前

このコメントは以下の記事についています

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

孫崎享チャンネル

孫崎享チャンネル

月額
¥110  (税込)
このチャンネルの詳細