句集ではなく歌集ですね。 どくだみは毒をたむ(矯む)から由来してるので、ぜんぜんおどろおどろしくなく、むしろ逆。うたのモチーフ(「名に反して実は可憐で清浄」)もありふれててつまらないし。 また、どくだみは匂いはアレですが、食用にすることもあるし、茶にもなるし、クスリにもなる。昔の人の生活に密着して愛された草です。作歌したひとはそんなことは知らないのでしょう。 いまの年寄りは、それ以前の年寄りとは異なり、ひとつの世代として、昔ながらの伝統的な知識や倫理(いわゆる「おばあちゃんの知恵」とかいわれるもの)を受け継ぐことなく生きてきたということが、よく伝わります。 そのかわりに、どこかでだれかがなにかの目的のために作った安っぽい感傷(たとえば「地球環境を守れ」)に簡単にひっかかる。底が浅くて目も当てられないが、残念ながらもうすぐ「汚れた人間」として自然に帰るしかない運命ですね。 ただ、このなかでは、 待ち詫びし便りなきまま秋雨に かえでの紅葉闌けゆく真昼 は、わりといい。 というような評論に、あれこれ言いたい人はいるとおもいますが、ほんとうにうたを作る人なら、こういう辛辣だが内容のある批判は、たぶん歓迎するでしょう。
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孫崎享チャンネル
(ID:13458971)
句集ではなく歌集ですね。
どくだみは毒をたむ(矯む)から由来してるので、ぜんぜんおどろおどろしくなく、むしろ逆。うたのモチーフ(「名に反して実は可憐で清浄」)もありふれててつまらないし。
また、どくだみは匂いはアレですが、食用にすることもあるし、茶にもなるし、クスリにもなる。昔の人の生活に密着して愛された草です。作歌したひとはそんなことは知らないのでしょう。
いまの年寄りは、それ以前の年寄りとは異なり、ひとつの世代として、昔ながらの伝統的な知識や倫理(いわゆる「おばあちゃんの知恵」とかいわれるもの)を受け継ぐことなく生きてきたということが、よく伝わります。
そのかわりに、どこかでだれかがなにかの目的のために作った安っぽい感傷(たとえば「地球環境を守れ」)に簡単にひっかかる。底が浅くて目も当てられないが、残念ながらもうすぐ「汚れた人間」として自然に帰るしかない運命ですね。
ただ、このなかでは、
待ち詫びし便りなきまま秋雨に かえでの紅葉闌けゆく真昼
は、わりといい。
というような評論に、あれこれ言いたい人はいるとおもいますが、ほんとうにうたを作る人なら、こういう辛辣だが内容のある批判は、たぶん歓迎するでしょう。