国連で拒否権を持つ大国、特に米国、ロシア、中国が拒否権を発動させれば、何事も進まない。国連加盟国の絶対多数の賛成があっても、国連としての結論が出せないということである。 米国、ロシア、中国などは国内法が優先し、国内法に違反すれば他国に干渉しても、国連として打つ手がないということである。例えば、シリアでは、多国籍軍とロシア軍が一体的行動で、ISに対処できなかった。 中国が盛んにカナダ人を逮捕しているが、米国人には一切手を触れていない。また、カナダ人逮捕の理由が、「中国の国家安全に危害を及ぼす活動」などということであるが、一切逮捕の具体的内容に触れることはない。政治的報復手段であり、絶対に孟容疑者を米国に引き渡させないとの強い意志が働いているとみるべきでしょう。 中国は、米国には、カナダのように直接的圧力が掛けられないからである。かけたら、現在以上の経済制裁が掛けられることを覚悟しなければならないからでしょう。カナダは、米国と中国の間にあって、厳しい選択を迫られている。経済的問題以上に近隣国としての立場は捨てられず、米国の要求にこたえざるを得ないが、どのような答え方をするか、その選択は極めて重い。
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孫崎享チャンネル
(ID:18367902)
国連で拒否権を持つ大国、特に米国、ロシア、中国が拒否権を発動させれば、何事も進まない。国連加盟国の絶対多数の賛成があっても、国連としての結論が出せないということである。
米国、ロシア、中国などは国内法が優先し、国内法に違反すれば他国に干渉しても、国連として打つ手がないということである。例えば、シリアでは、多国籍軍とロシア軍が一体的行動で、ISに対処できなかった。
中国が盛んにカナダ人を逮捕しているが、米国人には一切手を触れていない。また、カナダ人逮捕の理由が、「中国の国家安全に危害を及ぼす活動」などということであるが、一切逮捕の具体的内容に触れることはない。政治的報復手段であり、絶対に孟容疑者を米国に引き渡させないとの強い意志が働いているとみるべきでしょう。
中国は、米国には、カナダのように直接的圧力が掛けられないからである。かけたら、現在以上の経済制裁が掛けられることを覚悟しなければならないからでしょう。カナダは、米国と中国の間にあって、厳しい選択を迫られている。経済的問題以上に近隣国としての立場は捨てられず、米国の要求にこたえざるを得ないが、どのような答え方をするか、その選択は極めて重い。