フレデイ タン のコメント

先般亡くなった米国の文豪フィリップ・ロスはユダヤ人。彼は小説「プロット アゲインスト アメリカ」で1930年代の米国に於ける反ユダヤ主義の恐ろしさを詳細に描いている。

戦後、ベストセラーになった「死者と裸者」は太平洋戦争の最前線でユダヤ人兵士が白人兵士に過酷な嫌がらせを受けるのを克明に描いている。

自動車王のフォードはユダヤ人批判の本を出し、その本がナチの親衛隊のバイブルになっている。

冒頭のフィリップ・ロスは無神の共産主義者と無神の資本主義者が問題であって、前者はユダヤ人のレーニン、後者はユダヤ人のロスチャイルドをイメージして述べたものと私は解釈している。

庶民のユダヤ人は神を信じて居るだけで、「シオンの長者のプロトコル」なんてウオール街を牛耳る無神のユダヤ人だけが教本にしているだけだ、フィリップ・ロスは云わんばかりだ。

私はそう主張するフィリップ・ロスが好きです。

とは言え、問題の底は深い。キリストを信じないユダヤ人がキリストを信じる人のそばで堂々と自己主張すれば、テーマが関係なくとも違和感を感じるのではなかろうか。私みたいな神を信じない仏教徒でも想像できる。

米国のキリスト教徒の白人はユダヤ人を黒人を見る視線と同じ視線で見ることがあるのではないだろうか。多民族、他宗教の米国は大変な問題を抱えている。

No.2 74ヶ月前

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