大坂なおみが勝った。その試合で多少のゴタゴタがあったらしいのだが、それについて論じた文章を紹介しておく。 https://mariyoshihara.blogspot.com/2018/09/us.html この文章のなかで、「テニスの試合の報道でもこのようなことがあるのだから、国際情勢についての報道でどれだけこうしたことがあるのかと思うと、恐ろしい気持ちになる」とあるのは、まったく同感する。 今回のトランプのことばでも、たとえば朝日新聞は次のように報道している。 https://www.asahi.com/articles/ASL972C1VL97UHBI009.html この朝日報道を読めば、 トランプは、【現在は日本と良好な関係にあるが、米国の貿易赤字の解消のために「日本がどれだけ(米国に)払わなければならないかを伝えた瞬間、(良好な関係は)終わる「ので」、日本との貿易の条件で悩んでいる】 と解釈できなくもない。「ので」を勝手に当方で補ったわけで、もちろんその解釈が正しいというつもりはまったくない。しかしそう考えなくて孫崎さんの単純な分析通りなら、トランプはなにを悩んでいるのかということになる。 わたしが言いたいのは、新聞は、もしまだ存在意義があるつもりならば、(完全には不可能ながらも)できるだけ物事の真相を伝える努力をすべきということであり、読者はそれをさらに多面的に考えるべきだろうということだ。孫崎さんには「非常に優秀な読者」として、ほかの読者に対して模範演技を示すような読解を示してほしいものなのだが。 中間選挙の勝利のために、トランプが日本に無茶をいってくる可能性はあるとわたしもおもう。ただそれが継続的な米国の対日方針になるかというと疑問だとおもう。それはトランプの性格がどうとか、安倍トランプ関係がどうとかというよりも、いまの日米通商関係に、米国側からみてトータルにみれば大きな懸案はないからだ。 結果的には、兵器を買わされたり、米国への投資の約束をする程度で終わるのではないか。しかし、よほど日本が交渉下手なら、農業部門でなにか譲歩をさされるようなこともあるのかもしれない。 なお、前回と前々回で孫崎さんが言っていたのは、トランプと、トランプ政権内部のヒトビトとは、現在それほど離間していないということだ(もちろん離間ぶくみではあるにしても)。わたしもそうおもう。
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大坂なおみが勝った。その試合で多少のゴタゴタがあったらしいのだが、それについて論じた文章を紹介しておく。
https://mariyoshihara.blogspot.com/2018/09/us.html
この文章のなかで、「テニスの試合の報道でもこのようなことがあるのだから、国際情勢についての報道でどれだけこうしたことがあるのかと思うと、恐ろしい気持ちになる」とあるのは、まったく同感する。
今回のトランプのことばでも、たとえば朝日新聞は次のように報道している。
https://www.asahi.com/articles/ASL972C1VL97UHBI009.html
この朝日報道を読めば、
トランプは、【現在は日本と良好な関係にあるが、米国の貿易赤字の解消のために「日本がどれだけ(米国に)払わなければならないかを伝えた瞬間、(良好な関係は)終わる「ので」、日本との貿易の条件で悩んでいる】
と解釈できなくもない。「ので」を勝手に当方で補ったわけで、もちろんその解釈が正しいというつもりはまったくない。しかしそう考えなくて孫崎さんの単純な分析通りなら、トランプはなにを悩んでいるのかということになる。
わたしが言いたいのは、新聞は、もしまだ存在意義があるつもりならば、(完全には不可能ながらも)できるだけ物事の真相を伝える努力をすべきということであり、読者はそれをさらに多面的に考えるべきだろうということだ。孫崎さんには「非常に優秀な読者」として、ほかの読者に対して模範演技を示すような読解を示してほしいものなのだが。
中間選挙の勝利のために、トランプが日本に無茶をいってくる可能性はあるとわたしもおもう。ただそれが継続的な米国の対日方針になるかというと疑問だとおもう。それはトランプの性格がどうとか、安倍トランプ関係がどうとかというよりも、いまの日米通商関係に、米国側からみてトータルにみれば大きな懸案はないからだ。
結果的には、兵器を買わされたり、米国への投資の約束をする程度で終わるのではないか。しかし、よほど日本が交渉下手なら、農業部門でなにか譲歩をさされるようなこともあるのかもしれない。
なお、前回と前々回で孫崎さんが言っていたのは、トランプと、トランプ政権内部のヒトビトとは、現在それほど離間していないということだ(もちろん離間ぶくみではあるにしても)。わたしもそうおもう。