11月20日、オバマ大統領と野田首相の間で、(30分あまりの)首脳会談が行われました。 TPPについて、伝えられているところでは以下の通りです。 (以下引用) さらに野田総理大臣は、太平洋を囲む国々で関税の撤廃などを進める、 TPP=環太平洋パートナーシップ協定について、 「交渉参加に向けて協議することを決定した際の私の決意は、当時と今も変わっていない。 日米間における課題を乗り越えるべく協議を加速させたい」と提案しました。 これに対し、オバマ大統領は「日本が関心を持っていることを歓迎する。 問題点がまだ残っているが、協議を通して解決したい」と述べました。 NHK NEWS web (http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121120/k10013634911000.html) (引用ここまで) この会談内容から知り得る限り、交渉締結に前のめりなのは、 分裂状態の党内で、TPPについて踏み絵まで迫ろうとしていた民主執行部の方で、 オバマ大統領がそこまでこのTPPに関心を持っているとは考えにくいところです。 少なくともオバマ大統領にとって、TPPがそこまで重要度の高いテーマならば、 わずか30分で会談が終了することは無かったでしょう。 民主党内の、あの長期間の紛糾と比べると、何ともあっさりしたものです。 私のTPPに対するスタンスは非常に単純です。 あくまで個人個人のレベルで、自分が得すると思う選択をすればいいだけです。 たとえばTPPについて、経団連に代表される財界が賛成するのは当然です。 彼らはTPPで、生産拠点の海外移転がさらに容易になるのと同時に、 「輸出割り戻し税」・・いわゆる消費税の還付によって、大きなボーナスも得られます。 (もちろんこれは、海外移転する資本力のない中小企業には縁のない話でしたが・・) なお、タイ政府は今月の18日、TPP交渉に参加する方針を示しましたが、 これは現在進展しているTPPの本質を象徴する出来事とも言えます。 2012年現在、タイは年間210万台もの自動車を生産し、 東南アジア最大の自動車輸出拠点となっています。 また、日系メーカーによる生産の割合が非常に多いのも特徴で、 タイで生産される自動車をブランド別に集計すると、 トヨタ、三菱、マツダなどの日系企業だけで、実に90%にも達します。 (参考 日本アセアンセンターHP内 タイ自動車研究所 所長 ワンロップ・ティアシリ 「タイ自動車産業におけるビジネスチャンス」) そして、自動車逆輸入のお得意先である日本が参加する可能性が高まった以上、 タイ政府が国益のために、TPPに前向きな姿勢を示すのは、 国家として正しい判断だと私は思います。 もちろん、そうした海外移転や逆輸入等によって、多大な利益を得る大企業が、 それに賛成するのも当然の話でしょう。 ・・しかし、日本国内の「労働者」にとって、この変化がもたらす結果は何でしょうか? これだけ円高不況が叫ばれる中で、たった数%の関税撤廃のエサに釣られて、 国内雇用に多大な悪影響を及ぼすであろうこの協定に、自ずから賛同の意を示すことが、 どれほど危険なことかは言うまでもないでしょう。 もちろん、財界がスポンサーであるマスコミは、 「開国か鎖国か?」「揺れる農業関係者」といった形で、 TPPの本質を見誤らせる報道を続けるのでしょう。 けれどもこの協定が、保険金融や知的財産権など、様々な分野で 交渉が積み重ねられてきたものであることは、ここで改めて強調しておきます。 (なお、ニコ動投稿に関わる方には、とくに、福井健策さんが書かれた 「ネットの自由」vs著作権、を一読することをお勧めします)
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11月20日、オバマ大統領と野田首相の間で、(30分あまりの)首脳会談が行われました。
TPPについて、伝えられているところでは以下の通りです。
(以下引用)
さらに野田総理大臣は、太平洋を囲む国々で関税の撤廃などを進める、
TPP=環太平洋パートナーシップ協定について、
「交渉参加に向けて協議することを決定した際の私の決意は、当時と今も変わっていない。
日米間における課題を乗り越えるべく協議を加速させたい」と提案しました。
これに対し、オバマ大統領は「日本が関心を持っていることを歓迎する。
問題点がまだ残っているが、協議を通して解決したい」と述べました。
NHK NEWS web (http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121120/k10013634911000.html)
(引用ここまで)
この会談内容から知り得る限り、交渉締結に前のめりなのは、
分裂状態の党内で、TPPについて踏み絵まで迫ろうとしていた民主執行部の方で、
オバマ大統領がそこまでこのTPPに関心を持っているとは考えにくいところです。
少なくともオバマ大統領にとって、TPPがそこまで重要度の高いテーマならば、
わずか30分で会談が終了することは無かったでしょう。
民主党内の、あの長期間の紛糾と比べると、何ともあっさりしたものです。
私のTPPに対するスタンスは非常に単純です。
あくまで個人個人のレベルで、自分が得すると思う選択をすればいいだけです。
たとえばTPPについて、経団連に代表される財界が賛成するのは当然です。
彼らはTPPで、生産拠点の海外移転がさらに容易になるのと同時に、
「輸出割り戻し税」・・いわゆる消費税の還付によって、大きなボーナスも得られます。
(もちろんこれは、海外移転する資本力のない中小企業には縁のない話でしたが・・)
なお、タイ政府は今月の18日、TPP交渉に参加する方針を示しましたが、
これは現在進展しているTPPの本質を象徴する出来事とも言えます。
2012年現在、タイは年間210万台もの自動車を生産し、
東南アジア最大の自動車輸出拠点となっています。
また、日系メーカーによる生産の割合が非常に多いのも特徴で、
タイで生産される自動車をブランド別に集計すると、
トヨタ、三菱、マツダなどの日系企業だけで、実に90%にも達します。
(参考 日本アセアンセンターHP内
タイ自動車研究所 所長 ワンロップ・ティアシリ
「タイ自動車産業におけるビジネスチャンス」)
そして、自動車逆輸入のお得意先である日本が参加する可能性が高まった以上、
タイ政府が国益のために、TPPに前向きな姿勢を示すのは、
国家として正しい判断だと私は思います。
もちろん、そうした海外移転や逆輸入等によって、多大な利益を得る大企業が、
それに賛成するのも当然の話でしょう。
・・しかし、日本国内の「労働者」にとって、この変化がもたらす結果は何でしょうか?
これだけ円高不況が叫ばれる中で、たった数%の関税撤廃のエサに釣られて、
国内雇用に多大な悪影響を及ぼすであろうこの協定に、自ずから賛同の意を示すことが、
どれほど危険なことかは言うまでもないでしょう。
もちろん、財界がスポンサーであるマスコミは、
「開国か鎖国か?」「揺れる農業関係者」といった形で、
TPPの本質を見誤らせる報道を続けるのでしょう。
けれどもこの協定が、保険金融や知的財産権など、様々な分野で
交渉が積み重ねられてきたものであることは、ここで改めて強調しておきます。
(なお、ニコ動投稿に関わる方には、とくに、福井健策さんが書かれた
「ネットの自由」vs著作権、を一読することをお勧めします)