りゃん のコメント

このはなし、自分はどこかで知っていたが、よくそのときの細部を思い出せない。しかしそのときと少し印象が違う気がするなあとおもいながらネットをみてみたら、次のようなサイトがでてきた。
https://books.bunshun.jp/articles/-/1975

このネット記事によると、
1、恋文は愛子の眼に触れることはなかった。
2、春彦は手紙を八つ裂きにして、燃やしてしまった。ここでひとつ問題になるのが、この燃やされた手紙が春彦がおくった手紙なのか(その場合、父親によっておくりかえされたことになる)、父親からの手紙そのものなのか、記載がない。

この二点については、孫崎さん引用(読売新聞の編集手帳のようだが)のなかでは省略されている。

また、changeさんの述べるところによれば(changeさん、情報ありがとうございます)、3、春彦と少女は以前からの知り合いであり、いくら戦前とはいえ、多少は会話をしたことはあったはずであり、孫崎さん引用のなかの「金田一さんが少女と初めて言葉を交わしたのは、それから30年余り後のことである」というのは、ちょっと大げさである。

また、少女に声をかけた動機も、孫崎さん引用の記事ではひとめぼれからの情熱を示唆する書き方だが、changeさんの情報によれば4、「高校入寮の夜1級上の春日由三「諸君は恋を得よ」という演説に感動し」、つまり男の先輩からの煽りあるいは焚き付けにも一端はあるのであり(これは現代でもふつうにみられる)、そうであれば少しロマンチックの度合いは下がるであろう。

別になにかを批判しようとして書いているのではなく、春彦氏のなかでももしかしたら少しずつ記憶がかわっているのかもしれず、さらに引用をされ、夾雑物が落ちてすっきりと、まるで万葉集のうたのようなおもむきさえ感じられるものがたりになっている。そのことに味わい深さを感じた。

No.4 77ヶ月前

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