りゃん のコメント

この project syndicate インタビューは文在寅政権に気持ち悪いほど好意的で、なにか違和感を感じるが、ヒルはかつて李明博政権もこの調子で支持していた。いつもこういうふうに朝鮮半島に接しているのだと思う。

ヒルといえば、かつて米国国務次官補として六者協議を牽引できる立場にいながら、北朝鮮に融和的に接し、最終的にはテロ支援国家指定の解除までおこなって北朝鮮にあやまったメッセージを送ったボンクラだ。このときに現在の半分程度でも強く北朝鮮に接していれば、今とは違った現在があっただろう。

ネットで調べてみたら、日本語で昨年のインタビューが拾えた。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO19203690V20C17A7I00000/
インタビュアーはやはりテロ支援国家指定解除の話をふっているが、ヒルは言い訳したあげくに「これははっきりさせておきたいが、テロ指定の話は私のレベルで決まるような話ではない」と答えている。まさにボンクラというべき受け答えぶりだ。

しかしこの日経インタビューでヒルは正しいことも言っている。

ひとつは
「北朝鮮の究極の目的は、その核兵器を用いて米国と北東アジアの同盟国を引き離し、日韓両国への支援を米国にやめさせることだ。北朝鮮が体制存続のために核兵器を持ちたがっているなどという人は、それを分かっていない」
ということで、ごく簡単かつ大雑把にいえば、核をもった北朝鮮はかならず韓国を侵略するということだ。

もうひとつは
「中朝関係は悪化し、友好的な説得が今の北朝鮮に通用するかは分からない。だからこんな疑問が浮上している。中国は非友好的な説得を試みようとしているのではないかと」
という認識の点だ。

このふたつは、しかし、情勢の変化とともに、少し意味合いをかえているとわたしにはおもわれる。すなわち、韓国侵略の点については、韓国にもはや防衛の意思があまり感じられない以上、米国はむしろ積極的に半島から手を引いて韓国を侵略させるという選択に結びつく。そして中国の非友好的な説得がもし半島を非核化するなら、それは日米にとってはむしろ望ましいのではないかという考えが出てきているとおもわれる。

最終的に、「中国がしきる非核化された統一朝鮮(金正男の息子が「国王」)」という線で、日米中がまとまるのは、現実的にありうる中では、なかなか良い選択かもしれないとわたしには感じられる。パラリンピックが終わる頃、金正恩が暗殺されると同時に人民解放軍が北への侵攻をはじめても驚きは感じないだろう。

No.9 82ヶ月前

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