マスコミをたたく孫崎氏は元外交官だが、この件に関しては、孫崎氏のご意見どうり、「外務省員の仕事は相手国の意見を鑑み、意見を提言することにある」と意見は正しい。さすれば、外交官である森本氏がその職務に従い、マスコミに意見を述べる前に上司に意見を述べるべきであった。正式に上司に上申していれば、マスコミに同意見を漏らすことの罪は軽かっただろう。酒が入っていないと正直な意見を言えないのは、他人、特に目上とぶつかるのを極度に恐れる日本人全体に通じる性癖である。まあ、外国人は口角泡を飛ばして議論するのが大好きであり、日本人は他人と議論するのが不得意だが、だからと言って外国が日本より住み良い、社会だとは必ずしも言えない。何事も波風立てずに過ごすのが日本流だが、それも長い目で見て悪くない。もっとも口角泡を飛ばして議論するのは、学問の進歩にとっては必須であろうが。森本氏は悪い相手と飲食をして、格好良く振舞ったのが、過ちの元と言えるだろう。それも彼にとって楽しいことのひとつであったろうし、人は往々にして楽しみから身を誤るのが通例である。舛添さんもその好例である。