同じ敗戦国のドイツとイタリアが、地位協定を改定して米国と対等な関係をつくったのに、日本だけは占領状態のままである。 これは、日本政府には「国民のための政治」をしようとの考えではなく、「米国に言いなりになっていれば安泰」という風潮を信じているためだ。 なぜ、そんな風潮が生まれたのか。第二次大戦中に「鬼畜」と罵り、「悪人の集団」と喧伝していた米国に負けて、それまでとは正反対の民主主義が導入されたため、それまで正しいと信じていたものが全否定される中でも、情報を発信しなくてはならない政府幹部、特に外務官僚たちが保身のために自分の考えを隠して、米国の言いなりになることに決めたためだ。 それが、戦後の教育を受けてきた現在の官僚にまで引き継がれ、首相の頭脳役であるべき官房長官までが思考停止になっている。 そして司法も、最高裁長官の任免権を持っている首相に厳しい判決を出したら、自らの出世の道をなくすことになってしまう。 厚木基地の騒音訴訟に続いて、沖縄の基地建設訴訟でも、公正さより「法と証拠に基づかない」政権従属判決が繰り返されているのはそのためだ。 この国は、永遠に米国の植民地に甘んじるつもりなのだろうか。
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孫崎享チャンネル
(ID:18982160)
同じ敗戦国のドイツとイタリアが、地位協定を改定して米国と対等な関係をつくったのに、日本だけは占領状態のままである。
これは、日本政府には「国民のための政治」をしようとの考えではなく、「米国に言いなりになっていれば安泰」という風潮を信じているためだ。
なぜ、そんな風潮が生まれたのか。第二次大戦中に「鬼畜」と罵り、「悪人の集団」と喧伝していた米国に負けて、それまでとは正反対の民主主義が導入されたため、それまで正しいと信じていたものが全否定される中でも、情報を発信しなくてはならない政府幹部、特に外務官僚たちが保身のために自分の考えを隠して、米国の言いなりになることに決めたためだ。
それが、戦後の教育を受けてきた現在の官僚にまで引き継がれ、首相の頭脳役であるべき官房長官までが思考停止になっている。
そして司法も、最高裁長官の任免権を持っている首相に厳しい判決を出したら、自らの出世の道をなくすことになってしまう。
厚木基地の騒音訴訟に続いて、沖縄の基地建設訴訟でも、公正さより「法と証拠に基づかない」政権従属判決が繰り返されているのはそのためだ。
この国は、永遠に米国の植民地に甘んじるつもりなのだろうか。