地球儀を見れば明確にわかることであるが、米国とロシアと米国と中国では、明らかに違っている。米国とロシアは、たがいに脅威に見なす関係であることが分かる。米国と中国は遠く離れており、直接的脅威につながっていない。 現在の南シナ海問題は、中国近辺の経済圏を米国の支配からのぞいていこうというものであり、中国の意図に対して日本がことごとく反発しているといえる。米国の傘があるから強いことを中國に非難がましく述べているが、この数年に中国の軍事近代化が進み、量だけでなく質の面で米国に伍するようになれば、日本に対する発言は、一気に威圧的に変わってくるのでしょう。将来を見据えた大局観があれば、米国に尾っぽを振ることは意味がなくなっているのであるが、EU各国のように理解していない日本の外交力は、数年後、金ではどうしようもなくなる世界情勢に呆然とするか、無節操にも一気に中国にすり寄ることになるのであろうか。 安倍首相が、ロシアに保険をかけている状況は適切であるが、問題は米国の動きである。日本がロシアにすり寄ることは、EUを支配できない現状では、かなり神経質になっており、平静を保っているが、内心では面白くないでしょう。米国の失墜につながる失いたくない最後の日本カードを簡単に手放すように思えない。
チャンネルに入会
フォロー
孫崎享チャンネル
(ID:18367902)
地球儀を見れば明確にわかることであるが、米国とロシアと米国と中国では、明らかに違っている。米国とロシアは、たがいに脅威に見なす関係であることが分かる。米国と中国は遠く離れており、直接的脅威につながっていない。
現在の南シナ海問題は、中国近辺の経済圏を米国の支配からのぞいていこうというものであり、中国の意図に対して日本がことごとく反発しているといえる。米国の傘があるから強いことを中國に非難がましく述べているが、この数年に中国の軍事近代化が進み、量だけでなく質の面で米国に伍するようになれば、日本に対する発言は、一気に威圧的に変わってくるのでしょう。将来を見据えた大局観があれば、米国に尾っぽを振ることは意味がなくなっているのであるが、EU各国のように理解していない日本の外交力は、数年後、金ではどうしようもなくなる世界情勢に呆然とするか、無節操にも一気に中国にすり寄ることになるのであろうか。
安倍首相が、ロシアに保険をかけている状況は適切であるが、問題は米国の動きである。日本がロシアにすり寄ることは、EUを支配できない現状では、かなり神経質になっており、平静を保っているが、内心では面白くないでしょう。米国の失墜につながる失いたくない最後の日本カードを簡単に手放すように思えない。