その流れは今でも続いている。たとえば、オバマが国民皆保険(オバマ・ケア)を実現しようとしても、ウォール街が強力に圧力をかけ結局は大手の保険会社と製薬メーカーが儲かる一方で国民は却って負担を強いられる制度に改悪されてしまった。
なぜ米国がこうした社会になったかについては、J・K・ガルブレイスの『満足の文化』(The Culture of Contentment,1992、邦訳、2014)に詳しい。20年以上前に書かれた本だが、米国の格差社会を知る上で必読の書であり、非正規雇用者が4割近くになった現在の日本の状況を読み解く上でも大いに参考になる。因みに「満足の文化」とは、既得権益を持つ(グローバル)大企業や富裕層が政府や国家によつて制度の上で守られる社会や文化のことだ。
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皮肉なことに、現在の米国の格差拡大は、レーガンの経済政策・レーガノミクスが生んだものだ(ヌーナンは知らないのだろうか)。レーガノミクスは新自由主義的政策であり、市場原理への信仰、社会保障の削減、大企業や富裕層のための減税、トリクルダウン理論、過度な規制緩和、軍事費の増大などを特徴とし、「小さな政府」を掲げた。その結果、米国には貧富の格差が広がった(日本は当時の米国と逆にデフレ社会だが、アベノミクスは新自由主義的政策という点ではレーガノミクスと同じだ)。
その流れは今でも続いている。たとえば、オバマが国民皆保険(オバマ・ケア)を実現しようとしても、ウォール街が強力に圧力をかけ結局は大手の保険会社と製薬メーカーが儲かる一方で国民は却って負担を強いられる制度に改悪されてしまった。
なぜ米国がこうした社会になったかについては、J・K・ガルブレイスの『満足の文化』(The Culture of Contentment,1992、邦訳、2014)に詳しい。20年以上前に書かれた本だが、米国の格差社会を知る上で必読の書であり、非正規雇用者が4割近くになった現在の日本の状況を読み解く上でも大いに参考になる。因みに「満足の文化」とは、既得権益を持つ(グローバル)大企業や富裕層が政府や国家によつて制度の上で守られる社会や文化のことだ。