生前退位に関して、こだわるものではないが、国民に話しかけるという名目の「直訴」の形が気にかかってしょうがない。 相模原の事件では、植松容疑者は、衆議院議長に、ナチの亡霊が湧き出てきたかのような「直訴」を行ったが、精神異常者ではないので、特別な対策をせず、言論の自由が優先し、悲惨な事件につながったともいえる。今回は、国民に選ばれ、行政機能を担っている方々を無視した形で、国民に話しかけられ「直訴」した形になっている。一般社会では、物事に正誤はなく選択の問題であるのに、職制の上司が話を受け入れないといって、社長など幹部に「直訴」することなど可能であろうか。絶対にできない。あえて、「直訴」を行うということは、行政罰を受けることを覚悟する、組織から退職する、退位するなど、己の犠牲の上に成り立っている。「直訴」現象が社会に、あちこちに出てくれば、社会の安全、安心に大きな被害が出てくる可能性を否定できない。国民に話しかけるという「直訴」を真剣に考える必要性はないか。退位問題より大きな問題であるが、マスコミに取り上げられてはいないようである。
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孫崎享チャンネル
(ID:18367902)
生前退位に関して、こだわるものではないが、国民に話しかけるという名目の「直訴」の形が気にかかってしょうがない。
相模原の事件では、植松容疑者は、衆議院議長に、ナチの亡霊が湧き出てきたかのような「直訴」を行ったが、精神異常者ではないので、特別な対策をせず、言論の自由が優先し、悲惨な事件につながったともいえる。今回は、国民に選ばれ、行政機能を担っている方々を無視した形で、国民に話しかけられ「直訴」した形になっている。一般社会では、物事に正誤はなく選択の問題であるのに、職制の上司が話を受け入れないといって、社長など幹部に「直訴」することなど可能であろうか。絶対にできない。あえて、「直訴」を行うということは、行政罰を受けることを覚悟する、組織から退職する、退位するなど、己の犠牲の上に成り立っている。「直訴」現象が社会に、あちこちに出てくれば、社会の安全、安心に大きな被害が出てくる可能性を否定できない。国民に話しかけるという「直訴」を真剣に考える必要性はないか。退位問題より大きな問題であるが、マスコミに取り上げられてはいないようである。