陛下は、冒頭「天皇という立場上、現行の皇室制度に具体的に触れることは控えながら、私が個人として、これまでに考えて来たことを話したい」と述べ、憲法遵守の立場から自分の退位についてあからさまに言及できない旨を言明したうえで、「既に八十を越え、幸いに健康であるとは申せ、次第に進む身体の衰えを考慮する時、これまでのように、全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています。」と述べておられる。これを読めば御退位されたいと受け取るのが当然だろう。 また、お言葉の最後の方で、「天皇の終焉に当たっては、重い殯(もがり)の行事が連日ほぼ二ヶ月にわたって続き、その後喪儀(そうぎ)に関連する行事が、一年間続きます。その様々な行事と、新時代に関わる諸行事が同時に進行することから、行事に関わる人々、とりわけ残される家族は、非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません。こうした事態を避けることは出来ないものだろうかとの思いが、胸に去来することもあります。」とあるのは、崩御にともなって代替わりとなる現行の法制では、後継の天皇にたいへんな負担がかかるので、それを避けたいと述べられているのであって、つまり、「生前退位」をご希望されているのである。
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孫崎享チャンネル
(ID:11773811)
陛下は、冒頭「天皇という立場上、現行の皇室制度に具体的に触れることは控えながら、私が個人として、これまでに考えて来たことを話したい」と述べ、憲法遵守の立場から自分の退位についてあからさまに言及できない旨を言明したうえで、「既に八十を越え、幸いに健康であるとは申せ、次第に進む身体の衰えを考慮する時、これまでのように、全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています。」と述べておられる。これを読めば御退位されたいと受け取るのが当然だろう。
また、お言葉の最後の方で、「天皇の終焉に当たっては、重い殯(もがり)の行事が連日ほぼ二ヶ月にわたって続き、その後喪儀(そうぎ)に関連する行事が、一年間続きます。その様々な行事と、新時代に関わる諸行事が同時に進行することから、行事に関わる人々、とりわけ残される家族は、非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません。こうした事態を避けることは出来ないものだろうかとの思いが、胸に去来することもあります。」とあるのは、崩御にともなって代替わりとなる現行の法制では、後継の天皇にたいへんな負担がかかるので、それを避けたいと述べられているのであって、つまり、「生前退位」をご希望されているのである。