このところ、孫崎享著『日本人のための戦略的思考入門』をよみかえしているのだが、スパルタに対するアテネの敗北、ローマに対するスパルタの敗北のわけを知るにつけ、正直、冷や汗が背中を走る。 孫崎さん、アテナイにおけるソクラテスの役割を果たしている。 けっして、これはほめ過ぎでも、よいしょでもない。『日米同盟の正体』以来、孫崎さんが提唱している戦略的思考は、シェリング理論を組み入れつつ、独自の体系を完成しつつある。 孫崎理論は、キッシンジャーの核の傘理論に匹敵する国際秩序の安定に関する一つの理論的支柱になっていく可能性がある。 とにかく、米国の戦略論に関しての浩瀚かつ精細な分析は、本当に頭のいい人でなければできないシャープな整理であり、今後もこれにまさる業績は出ないだろうと思われるのだが、驚くべきは、それを踏まえて、地政学的には大国にはさまれて存在する日本にとっての戦略的思考を構築していることである。 上記の講演によれば、多くの人(日本人)には理解されていないということらしいが、今後ますますグローバル化していく世界で生きていく将来の日本人にとっては、ものすごく役立つ思考法となるだろう。
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(ID:11773811)
このところ、孫崎享著『日本人のための戦略的思考入門』をよみかえしているのだが、スパルタに対するアテネの敗北、ローマに対するスパルタの敗北のわけを知るにつけ、正直、冷や汗が背中を走る。
孫崎さん、アテナイにおけるソクラテスの役割を果たしている。
けっして、これはほめ過ぎでも、よいしょでもない。『日米同盟の正体』以来、孫崎さんが提唱している戦略的思考は、シェリング理論を組み入れつつ、独自の体系を完成しつつある。
孫崎理論は、キッシンジャーの核の傘理論に匹敵する国際秩序の安定に関する一つの理論的支柱になっていく可能性がある。
とにかく、米国の戦略論に関しての浩瀚かつ精細な分析は、本当に頭のいい人でなければできないシャープな整理であり、今後もこれにまさる業績は出ないだろうと思われるのだが、驚くべきは、それを踏まえて、地政学的には大国にはさまれて存在する日本にとっての戦略的思考を構築していることである。
上記の講演によれば、多くの人(日本人)には理解されていないということらしいが、今後ますますグローバル化していく世界で生きていく将来の日本人にとっては、ものすごく役立つ思考法となるだろう。