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マクガイヤーチャンネル 第49号 2016/1/11
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おはようございます。
正月休みが終わったので絶望していたのですが、連休で息を吹き返したマクガイヤーです。
前回の放送「マクガイヤーゼミ特別編 しまさんpresents 2時間でなれる編集者講座」は如何でしたでしょうか?
しまさんのキュートさが爆発した回でしたね!
今後の放送予定ですが、以下のようになっております。
○1/28(木)20時~
「最近のマクガイヤー 2016年1月号」
いつも通り、最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
・年末年始テレビ番組事情
・『Fallout4』
・『コンクリート・レボルティオ~超人幻想~』
・『ホークアイ:L.A.ウーマン』
・『ヤクザと憲法』
・『山口組三代目』、『三代目襲名』、『山口組外伝 九州進攻作戦』奇跡のDVD化
その他諸々について語る予定です。
○2/13(土)20時~
「ニコ生マクガイヤーゼミ 『オデッセイ』と火星で生き延びる方法」
2/5(金)より期待のSF映画『オデッセイ』が公開されます。
アンディ・ウィアーのSF小説『火星の人』を原作とする本作は、ウンコを利用して土壌改良した土でじゃがいもを育てたり、ジェット燃料から電気分解で水を入手したりと、サイエンス・フィクションの魅力がたっぷり詰まった作品です。
そこで、映画『オデッセイ』の魅力について主に科学的な側面から解説する予定です。
是非とも『オデッセイ』を観賞するか、原作小説『火星の人』を読了してから放送をお楽しみください。
以上、ご期待ください。
さて、今回のブロマガですが、連載日記『遺言』はちょっとお休みして、放送外で聞かせてもらった面白かったことについて書かせて下さい。
「編集者」がテーマの回ということで、スタジオには、以前番組にも出演して頂いた編集者のタクジさんが遊びに来ていました。
しまさんと編集者トークに花を咲かせていたのですが、「編集者の仕事とはなにか?」というのが面白かったのです。
タクジさんは、編集者の仕事とは一言で言って「整理整頓」だといいました。
アイディアの整理整頓、段取りの整理整頓、原稿の整理整頓……なんだか頷ける話です。
そういえば、竹熊健太郎さんは「編集とは、一般社会と魑魅魍魎の世界(作家とかライターとか)をつなぐ恐山のイタコみたいな存在」とか「編集といい意味での「共犯関係」が結べるかどうかが勝負」とかいったことを言っていましたが(http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2005/03/post_2.html )、「つなぐ」ことの実作業が「整理整頓」ということなのでしょう。
しまさんは、「料理の先生の事務所に打ち合わせに行った際に、他社の編集者がコンビニのドーナッツを持ってきていて、驚いたことがある」というエピソードを話してくれました。
「差し入れのコーディネートは難しいもの。しかも、おいしいものに詳しい料理の先生に渡すものなのに、コンビニのドーナッツではあまりにも手抜きではないか(実際に、先生もがっかりしていた)」というのです。
また、編集者の間では、「仕事先に謝罪に行く際に持っていく菓子折りを買って来いと頼んだら、
コンビニでお菓子を山ほど買ってきた奴がいた」という都市伝説もあるそうです。
せめてデパ地下で売っているお菓子だろ――というわけです。
そういえば2ちゃんねるに「新入社員(22歳ゆとり男)に客に出す菓子を買ってこさせたら」というスレッドがありました。
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新入社員がお茶菓子に「ルマンド」購入で物議 文句をつける先輩社員が悪いのか
http://careerconnection.jp/biz/news/content_3249.html
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正直な話、20代の頃の自分だったら「ルマンドでなにが悪いんだよ! ブルボン舐めんな!!」と内心で密かに怒っていたかもしれません。
しかし、今や私も40のおっさんです。仕事相手から差し入れを受けたり、食事の席に誘われたりしたことも何度もあります。
その上で、しまさんやタクジさんやルマンドを買ってきた新入社員に文句をつけた先輩社員の考えも良く分かります。
コンビニで売っているドーナツとハーゲンダッツのアイス、コンビニで売っているお菓子とデパ地下のお菓子、ルマンドと季節ごとの和菓子――これらの間にどんな違いがあるのか。
当然、値段が違いますが、大事なのはそこではありません。どうせ領収書を貰って、後で清算してもらうのですから。
そして、ゆとり社員が差し入れてくれた一万円のデパ地下お菓子よりも、カリスマ編集者が差し入れてくれた五千円のいなり寿司折り詰めの方が嬉しい――そんな場合もありえます。
何故なら、一番大事なポイントは"「差し入れされたクリエーターや仕事仲間の心がウキウキするかどうか」"であるからです。
ここでは、差し入れしてくれる人がどれだけ美味しいものを知っているか、食事に誘ってくれる人がどれだけ美味しいお店を知っているか、どれだけセンスがあるかが重要ですが、それだけではありません。
どれだけ相手を喜ばせようとしているか――つまり「おもてなしの心」が問われ、試されているわけです。
上記した2ちゃんねるのスレッドには、「先輩社員の指示の出し方が悪い」「和菓子を買って来て欲しかったらそう指示するべき」という指摘もありましたが、指示してしまったらおしまいなのです。「土産に○○買ってこい」と言ってしまったら、それはもう土産ではないし、おもてなしではないのです。
その昔、今やすっかりテレビタレントなテリー伊藤がカリスマTVディレクターだった時、新しく入ってきたADは必ず3時のおやつの買出しに行かせ、どんなお菓子を買ってきたかでそのADのセンスを試していたそうです。スーパーで買うのか、コンビニで買うのか、はたまた和菓子屋か、定番のお菓子と新作のお菓子の配分はどれくらいか、そもそも「定番のお菓子」をどのようなものと捉えているのか――そういったセンスがすぐに分かる――そして、そのセンスはものづくりと深く関係する、というわけです。
また、ある編集部では、各自がどれだけ美味しい差し入れ、美味しい店を知っているか勝負しよう――という催しが行われたことがあるといいます。
勿論、これは半分ジョークとしてやっているわけですが、半分ジョークということは、半分は本気ということです。
何故『美味しんぼ』の主人公は、新聞記者(という名の編集者)なのか?
何故『かくかくしかじか』に出てくる少女マンガ誌の編集者たちは、打ち合わせで漫画家を美味しい店に連れて行くのか?
何故『まんが道』の編集者たちは、若き漫画家たちに「腹減ってないか?」とことあるごとに訊くのか?
そんなことに、合点がいったりもしました。
さて、それでは自分がどこかに差し入れする状況になった時、具体的にどこのお店の何を買っていくのが最適なのでしょうか?
勿論、一番大事なのは「おもてなしの心」ですので、差し入れする相手、状況、自分と相手の立場によってケースバイケースでしょう。
前述した料理の先生の場合と同様に、差し入れやプレゼントは、その人に合ったものをいちいちコーディネートするそうです。高いものをプレゼントしたほうがいい人もいるし、リーズナブルでおいしいものを渡して、なるべく気を遣わせないように配慮することもあります。それこそ、「クリスピークリームドーナツのセットを買ってきて!」と指定してくる作家さんもいるそうです。「○○ならいい」「○○はダメ」という、絶対的なものはないそうです。
それでも「こういうものを持って行って喜ばれたことがある」というものなら、経験としてあるはずです。
謝罪の際には新正堂の切腹最中を持っていくのはどうか? ――そんなことを呟いて、鼻で笑われたことのあるおもてなし弱者の自分としては、もの凄く知りたい情報です。
娘と浅草に遊びに行った際、観光客向けの蕎麦屋みたいなところに入ったら「あんまり美味しくなかったー」と嫁に告げ口され、「お(と)ーしゃんが連れてってくれる店はだいたい美味しくないよねー(結婚前からー)」と嫁に言い放たれた自分としては、もの凄くもの凄く必要な情報です。
しまさんとタクジさん、ついでに同席していたやまだ(彼女は差し入れして喜ばれた方ではなく、貰って嬉しかったなのですが)に質問してみると、こんな答が返ってきました。
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