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マクガイヤーチャンネル 第359号 2022/8/3
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おはようございます。マクガイヤーです。

先々週にコロナ感染したわけですが、体調もほぼ回復してきました。

しかしこうなると夏休みがコロナで台無しになったのが痛いです。旅行の計画してたのになあ。



マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



〇8月8日(月)19時~「『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』とコリン・トレヴォロウの倫理観」

7月29日より映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』が公開されます。『ジュラシック・ワールド』3部作の第3作目であり、完結編です。前シリーズ『ジュラシック・パーク』の出演者であるサム・ニールやローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラムも登場するそうです(ゴールドブラムは2作目『炎の王国』にも出演していました)。


期待の映画ですが、一方で監督のコリン・トレヴォロウは独特の倫理観を映画で表現することでも知られています。

まるで現代版『未知との遭遇』『彼女はパートタイムトラベラー』で『ジュラシック・ワールド』の監督に抜擢されたトレヴォロウですが、1作目では何の落ち度もない女性秘書がギャグのように死んだり、2作目『炎の王国』では人間よりも恐竜の命が優先されたりしました。『ザ・ブック・オブ・ヘンリー』では本国で激しい批判が巻き起こり、これが一因となって『スター・ウォーズ エピソードIX』の監督を降ろされたりもしました。

そんなコリン・トレヴォロウが『ジュラシック・パーク』のシークェルである『ジュラシック・ワールド』完結編でなにを描くのか、楽しみでなりません。

そこで、『ジュラシック・ワールド』やコリン・トレヴォロウのあれこれについて語るニコ生を行います。


ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)をお迎えしてお送り致します。



〇8月29日(月)19時~「最近のマクガイヤー 2022年8月号」

詳細未定

いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。



〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています

当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

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また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。

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合わせてお楽しみ下さい。





さて、本日のブロマガですが、この前読んだ星野之宣の漫画『日本のいちばん長い日』が面白かったので、ニコ生に引き続いて紹介させて下さい。



●『日本のいちばん長い日』と星野之宣

先月の21日、漫画『日本のいちばん長い日』が発売されました。日本が「終戦」した1945年8月14日~15日に起こったクーデター未遂事件「宮城事件」を題材にした有名ノンフィクションの漫画化です。

執筆時に文藝春秋の社員だった半藤一利による原作は泣く子も黙る名著で、これまでに1967年と2015年の二度映画化されており、いずれも8月に公開され、1度目は大ヒット、2度目はそれなりにヒットしました。


漫画版は文春オンラインにて2021年10月から連載され、ついこの前の2022年6月に完結しました。連載から間を置かないタイミングでの単行本化です。二度の映画と同じく8月の終戦記念日前に単行本を刊行してなるべく話題にしたいのもあるのでしょうが、過去に『日本のいちばん長い日』を送り出したという自負がある文春が社としてかなり力を入れた企画だということが分かります。

で、この漫画化を務めるのが、なんと日本のSF漫画の第一人者といっても過言ではない星野之宣なわけですよ。

星野之宣といえば『2001夜物語』『ヤマタイカ』の二作で30代にして日本SF漫画界の巨匠となり、その後もSF漫画を描き続けていますが、『宗像教授』シリーズなどの伝奇もの、『妖女伝説』などの歴史(的題材をSF的に解釈した)ものなども並行して描き続けています。また、近年はオカルト一歩手前のSFサスペンス『レインマン』、名作SF小説の漫画化である『星を継ぐもの』『未来からのホットライン』、海洋冒険ロマン『海帝』など、敢えて原作ものをやってでも過去にやっていない新しい題材を追い求めている印象です。

そんな星野之宣が『日本のいちばん長い日』を漫画化するといえば、期待せずにはいられません。連載時も時折読んでいましたが、単行本にまとまったのを機に改めて読んでみました。



●「普通の人間」として描かれる昭和天皇

漫画版を読んで一番驚くのは、昭和天皇が主人公のような立ち位置で話が進むことです。

これは映画版、特に1967年版が印象に残っている読者にとっては驚きではないでしょうか。

原作は実地の調査とインタビューを重んじたルポルタージュです。当時『文藝春秋』編集部次長だった半藤一利は、定説となっていることでも直接関係者の証言を通して再確認したことがあとがきに書かれています。1965年当時はそれが可能だったわけです。

ルポルタージュ故に特定の主人公などいなかったわけですが、これをドキュメンタリーではなく劇映画として映像化するためには主人公のようなもの――物語の軸となるキャラクターを主要登場人物として決め込む必要があります。1967年版のそれは三船演じる阿南陸軍大臣であり、黒沢年雄演じる畑中少佐であり、笠智衆演じる鈴木貫太郎総理大臣だったわけです。

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当時存命だった昭和天皇は顔がきちんと映らず、台詞も記録にしっかりと残っている有名なものだけという、腫れ物に触るかのような「特別な描かれ方」でした。演じたのは八代目松本幸四郎(後の初代松本白鸚、今の松本白鸚の父)で、(特に近代の)天皇を劇映画に出す際は歌舞伎俳優を充てるという伝統にも則っています。