おはようございます。
一昨日の放送「『日本沈没2020』湯浅政明と小松左京の悪魔合体」は如何だったでしょうか?
久しぶりにゲストをスタジオにお呼びしての放送だったのですが、実際に湯浅監督に取材経験のある那瀬さんが大活躍でしたね。
自分も小松左京について喋れて満足しております。
マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。
○8月31日(月)19時~「最近のマクガイヤー 2020年8月号」
・時事ネタ
・『がんばれいわ!!ロボコン ウララ〜!恋する汁なしタンタンメン!!の巻』
・『追龍』
その他、いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
○藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています
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また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。
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合わせてお楽しみ下さい。
さて、今回のブロマガですが、『フォートナイト』で有名なEpic Gamesが抗議のパロディCMを作ったことで話題のAppleの『1984』CMについて書かせて下さい。
●海軍より海賊
「海軍に入るくらいなら、海賊になったほうがいい」
――これはスティーブ・ジョブズが残した多くの名言の一つですが、この言葉を強烈に思い返してしまう出来事がありました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5847a21dc2b3661f40d7eda75ea3b4fe0dba8d63
https://www.famitsu.com/news/202008/14204041.html
・Epic Gamesの人気ゲーム『フォートナイト』が独自の課金システムを実装し、App StoreやGoogle Playといったプラットフォームより安い割引価格で運用開始したこと
・ガイドライン違反によりApp StoreやGoogle Playから『フォートナイト』が削除されたこと
・これを受けてEpic GamesはAppleを相手取った訴状を公表し、有名なアップルの『1984』CMのパロディ映像をYouTubeや『フォートナイト』内で公開したこと
……といった出来事から成る一連の騒動です。
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つまりEpic Gamesは明らかにAppleから相応の処分が来るのを予期してすべて準備していたわけだが、なぜこんなことを仕掛けたのかご説明しよう。
争点となっているのは、いわゆる“プラットフォーム税”。つまりAppleのようなプラットフォーム事業者側がソフトやサービスの売り上げから利用料として自動的に徴収する30%の取り分の妥当性だ。この30%という数字は一種の業界スタンダードともなっていて、Apple以外でもプラットフォーム事業者側の取り分として採用されているのは珍しくない。
Epic Gamesは今回の件以前から一貫して「これは多すぎるのではないか」と疑問を呈しており、2018年末には同様に30%の取り分で運営しているPCゲームストアのSteamに対抗するように、“88対12”(Epic Gamesの取り分が12%)の利益配分率でEpic Gamesストアをサービス開始している。
というわけでそもそもEpic Gamesが発端となる独自の課金システムを用意したのは、30%からプラットフォーム事業者の取り分が下がればより安く課金要素を提供することもできる事を示すためだったのだ(公式記事にも「Epic ディレクトペイメントの使用を選択すると、Epicが支払い処理の値下げ分をお客様に還元するため、最大20%の割引となります」とそれとなく示唆されている)。
https://www.famitsu.com/news/202008/14204041.html
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完全に同意なのですが、この記事に付け足すとすれば、Epic Gamesが単純におカネ目当てで今回の騒動を仕掛けたとは自分には思えません。
●Epic Gamesの目的はなにか
App StoreやGoogle Play、Steamもだけでなく、PSストア、Xbox Gamesストア、ニンテンドーeショップ、マイクロソフトストア、Amazonといったプラットフォームもすべて30%の利用料を徴収しています。本来ならばプラットフォームの規模、つまりインフラによって「税金」は異なってもいいはずなのですが、まるで闇カルテルのように同一です。それだけに、Epic game storeやDiscordがこれよりも安い利益配分率で参入した時は話題になりました(https://www.famitsu.com/news/201812/21169623.html)
また、Epic Gamesはゲームエンジンのグローバルスタンダードのみならずアニメの背景やシミュレーターといった様々な分野で使用されているUnreal Engineの開発元ですが、使用料は基本的に無料であり、四半期ごとの売り上げが3000ドルを超えた場合は、超えた部分の5%が使用料となる成功報酬モデルをとっています。
『フォートナイト』も基本プレイ料は無料であり、課金してもコスチュームが変わったり他のプレイヤーとのコミュニケーション用に特定の動きを再現する「エモート」が得られたりするだけで、プレイが有利になるわけではありません。
こういったフリーミアム戦略が、Unreal Engineをグローバルスタンダードに押し上げたり、『フォートナイト』の登録プレイヤー数が3.5億人を突破したりといった、Epic Gamesの成功に結び付いた理由の一つであるとされています。しかし自分は、ビジネス面での理由以上に、Epic Gamesの哲学というか価値観がそのようなことをした理由であったのではないかと思います。
それは、ゲームを楽しむゲーマーはなるべく多い方が良いし、クリエイターとしてゲームを作るために越えなければいけないハードルはなるべく低い方が良いという、ゲーマー・ファースト、ゲームクリエイター・ファースト的な価値観です。
●Time Is on My Side
その根底には、おそらく「技術を独占するよりも広く共有して、皆で大いに楽しみたい」という、70年代ヒッピー文化や、それを引き継ぐ西海岸ハッカー文化があります。つまりは、親切で大らかな博愛精神です。
しかし、これを何十年も前に実現していたのが、創業時のAppleであり、Googleであったはずです。
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