こんにちは、マクガイヤーです。
前回の放送「最近のマクガイヤー 2017年1月号」は如何だったでしょうか?
『ザ・コンサルタント』、『イコライザー』、『ジョン・ウィック』、『96時間』……といった「ナメてた相手が実は殺人マシーン映画(@ギンティ小林)」の主人公たちが集結する「ナメ(略)殺人マシーン版エクスペンダブルズ」は本当に観たいところです。
リーアム・ニーソンがリーダー格で、巨大な悪の組織に対抗するために今は会計士やホームセンター店員や犬大好きおじさんとして世をしのび人をしのんでいる昔の仲間を集めるのだけれども、常に一歩遅く、でも全員「実は殺人マシーン」なのでそれぞれのやり方で返り討ちにするシーンが連続して、クライマックスは敵組織を罠にかけるために全員で平凡な一家を偽装し「ナメてた一家が実は全員殺人マシーン」みたいなシチュエーションでシメる……マジで観たいなあ。
マクガイヤーチャンネルの今後の予定は以下のようになっております。
○2月5日(日) 20時~
「『沈黙』とマーティン・スコセッシの秘密(仮題)」
1/21より『沈黙 -サイレンス-』が公開されます。
本作は遠藤周作の原作を基にしつつ、これまでキリスト教をテーマの一つとして選ぶことの多かったマーティン・スコセッシ監督の20年越しの企画といわれています。
そこで、マーティン・スコセッシ監督の過去作をふりかえりつつ、映画『沈黙 -サイレンス-』について特集します。
○2月25(土) 20時~
「最近のマクガイヤー 2017年2月号」
いつも通り、最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
詳細未定。
また、2月10日(金)20時より放送予定の「山田玲司のヤングサンデー放送100回『CICADA』発売記念!ゲスト:手塚るみ子」にゲスト出演します。
先日の放送『手塚漫画大バトル』の評判がよく、手塚るみ子様と一緒にお声がかかりました。今から緊張するぜ!
お楽しみに!
番組オリジナルグッズも引き続き販売中です。
マクガイヤーチャンネル物販部 : https://clubt.jp/shop/S0000051529.html
思わずエナジードリンクが呑みたくなるヒロポンマグカップ
これからの寒い季節に着たい、乳首ポケストップトレーナー
『ローグ・ワン』公開に合わせて着たい、マクガイヤー・ウォーズ トレーナー
……等々、絶賛発売中!
さて、今回のブロマガですが、先日亡くなった松方弘樹さんについて語らせて下さい。
自分のようなアラフォー世代にとって、松方弘樹といえばまず「『元気が出るテレビ』で上ずった声で笑っている大物俳優」というイメージなわけですよ。周囲に気を使う性格なのか異常なテンションで笑ったり、一人ハンカチや丸めたタオルで汗をぬぐったりするさまが印象的な人も多いでしょう。
次に思い浮かぶのは、なんといっても「世界を釣る人」でしょう。『松方弘樹 世界を釣る』シリーズは定期的に放送されており、その時々の旬なグラドルや若手俳優を脇にはべらせつつ、クルーザーでカリブ海や南洋やハワイに繰り出してはマグロやカジキを釣りまくり、それを旧知の中である「辰兄い」こと梅宮辰夫がさばいて、皆で酒飲みながら食う姿は、「大人になったらおれもこんな暮らしがしてえなあ」と憧れたものです。
http://style.nikkei.com/article/DGXMZO12108660V20C17A1000000?channel=DF280120166612&style=1
松方弘樹は本当にマグロの一本釣りが好きで、日本の漁業資源保護についても真剣に考えていたことはあまり知られていませんが、これを機に広まると良いですね。
番組でもお話した通り、『松方弘樹のスーパートローリング』『松方弘樹のワールドフィッシング』といった、発売時は馬鹿にしていたゲームも、今だからこそプレイしたいところです。
あと、なんといってもインパクト抜群だったのが1990年に放映された『バブルスター』のCMです。
松方弘樹と梅宮辰夫に加えて、北大路欣也、山城新伍、千葉真一といった錚々たる大物おっさん俳優たちが出演し、「精力大盛り、バブルスター」「おならも隠せるバブルスター」とそれぞれのキャラクターに合った台詞でバブルスターを推しまくるCMは、今でも脳裏に焼き付いて離れません。
またこのおっさん5人が、腰回りといい腕まわりといい実におっさんらしい体形と肌ツヤで、にも関わらずまるで子供のような笑顔で一緒の風呂に浸かっているのが本当にグっときました。この5人が入った後の風呂に浸かったら妊娠しそうなオヤ汁含めて、これまた「大人になったら俺もこんなオヤジになりたい」と思わせるものでした。
このCM出演は皆で共同制作した映画『せんせい』の損失を補てんするために行われたものだそうですが( https://middle-edge.jp/articles/I0001165 )そんな『フル・モンティ』のような出演秘話にもグっときてしまいます。
当時はバブル絶頂期、更に販売元である原ヘルス工業はバブルスターをネットワークビジネスというかマルチ商法で販売していて、その後業務停止となったのも、今となっては味わい深いです。
その後、名画座やレンタルDVDで60~70年代の東映の任侠映画、実録映画などを観るようになり、役者としての松方弘樹を時系列逆で知ったのですが、まぁどれもこれもテレビでみる松方弘樹とは全然違うわけですよ。
有名なのは『仁義なき戦い』シリーズで三役を演じ三回死ぬ松方弘樹や、『県警対組織暴力』で茶碗を洗う松方弘樹のラブリーさ(思わず菅原文太も萌えてしまう)などですが、松方弘樹のベストアクトは「東映脱獄三部作」、その中でも第一作である『脱獄広島殺人囚』だと思うのですよ。
泣く子も黙る脱獄ものの名作といえば、『暴力脱獄』や『パピヨン』があります。1973年に公開された『パピヨン』は日本でも大ヒットしました。これと同じような映画を日本でもやれないかと考えた中島貞夫は、『仁義無き戦い』の主人公のモデルである美能幸三から、刑務所にいた時、脱獄を何度も繰り返して懲役41年に達した男がいたという話を聞きます。美能に加えてプロデューサーや脚本家と一緒に取材を繰り返し、完成したのが本作です。
それまで主演での当たり役が無かった松方弘樹、渡哲也の代役としてNHKの大河ドラマ『勝海舟』で主演を演じたものの、どうしても映画の主演をやりたいという思いがありました。そんなタイミングで主演した本作では、ものすごい熱演をみせています。
舞台は終戦直後の昭和22年。映画が始まるとすぐ、松方弘樹演じる主人公は仲間の渡瀬恒彦と一緒に闇屋とその愛人を銃殺し、モルヒネ1ポンドを強奪します。しかし松方だけすぐ逮捕、強盗殺人および麻薬法違反で懲役20年の刑を受け、広島刑務所に収監されます。ここまでをわずか2分で説明する手際のよさがたまりません。
続くオープニングで、ノリの良い音楽と共に刑務所内のライフスタイルが説明されます。なにしろ終戦直後、暴力たっぷりの時代ですので、看守も所長も暴力を振るいまくります。裸で口を開けて何も持っていないことを説明する「カンカン踊り」や、電球と布団の綿を使ってタバコ用の火を作ったり、看守に隠れて囚人同士でオカマを掘ったりする刑務所あるあるシーンもたまりません。
で、『パピヨン』のマックイーンのように、不屈の信念で脱獄を繰り返す松方弘樹の姿が描かれるのですが、マックイーンと違うところがあります。
それは、広島弁を喋りまくるところ……ではなく、とにかく欲と煩悩に満ち溢れているところです。
(この続きは有料でお楽しみください)
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