おはようございます。暖かくなったので毎日半袖を着ているマクガイヤーです。
この前、仕事で東京ビッグサイトに向かったのですが、りんかい線が人身事故で止まったのでゆりかもめがコミケの10倍くらい混んでいました。そこで、浜松町からバスで向かったのですが、こちらも激混み。きっちりスーツを着た人たちの汗が床に滴り落ちてました……長袖スーツなんて着たくありませんね。
今後の放送予定ですが、以下のようになっております。
○5/24(火)20時~(日程が変更になりました。ご注意ください)
「最近のマクガイヤー 2016年5月号」
・史群アル仙『臆病の穴』
その他、いつも通り、最近面白かった映画や漫画、気になったトピックについて、まったりとひとり喋りでお送りします。
○6/10(金)20時~
ニコ生マクガイヤーゼミ
詳細未定ですが、科学解説回を考えております。
「腸管免疫と腸内フローラ(仮)」もしくは「『テラフォーマーズ』と最強昆虫決定戦」をやるつもりです。
どっちが観たいか、是非ともお知らせ下さい!
○6月末(日程未定)
「最近のマクガイヤー 2016年6月号」
いつも通り、最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。
詳細未定。
さて、前々回のブロマガの続きです。
実は、W先輩の自宅に遊びに行くのはこれが初めてではありません。
3年生の頃、まだW先輩が学生で、例の「告白妖怪化事件」が起こる前、一度遊びに行ったことがあります。その頃、自分は水中で使えるビデオカメラを持っていて、合宿やら友人とのダイビング旅行で撮影した映像を編集して、まとめていたりしたのです。
一念発起してガラパゴス諸島に行った時にもビデオを持って行っており、ジンベイザメやアシカなど、そこそこ貴重な映像が撮れたのでした。港の近くには野良犬のごとく野良イグアナ……というか野生イグアナがいて、それも面白い映像でした。
そのことを話すと、W先輩が「観てみたい」というのです。じゃ上映がてら一度遊びに行っても良いですかというと、なんとOK。喜び勇んで遊びに行ったものでした。
初めて入ったW先輩の部屋は、W先輩の匂いが充満していて、頭がクラクラしました。半分勃起していたといっていいでしょう。
部屋の片隅には文庫本と鉄アレイが転がっていて、しかし決して雑然としているわけではなくて、いかにもW先輩らしい部屋でした。
時間帯は休日の午後でした。引退したW先輩とT先輩が付き合っていることはもう秘密でもなんでもなかったので、「もうしばらくしたらTさんが来るかもねー」とW先輩が呟く中での鑑賞です。
今思えば、変な音楽を付けた素人編集でしたが、W先輩は楽しんでくれました。なるたけW先輩の部屋に長時間いたかったので、ついでに持っていった『マクロスプラス』のビデオも鑑賞しました。なぜ『マクロスプラス』かというと、その時の自分が考えていた「オタクじゃない人にみせても映像的に決して恥ずかしくない新作アニメ」が『マクロスプラス』だったからです。嗚呼、なんだか思い返すだに、顔から火が出るほど恥ずかしい。
当時は『エヴァンゲリオン』が大ヒットした数年後で、オタクに対する蔑視が段々と落ち着いてきたとはいえ、友人との間でアニメや特撮の話をすると「普通とは違う人」扱いされるのが常でした。今振り返れば、好きな話題は早口かつ大きな声で喋る自分の口調や、挙動不審な自分の態度が主な原因だったのですが。
しかし、それでもW先輩は
「わー、すごいねえ。最近のアニメはすごいことになっているんだねえ」
と、実に好意的な反応を返してくれました。
その後、実際にT先輩がやってきましたが、T先輩にも「すごいよー」と言っていたので、それなりに本心から言っていたのでしょう。
そもそも、W先輩がオタ差別をするような人だったら、好きになどならなかったです。
自分は母親が台湾人で、アメリカに三年間住んでいました。日本でもアメリカでも、台湾人だからだとか日本人だからとかいった理由で差別されたことは、一回もありませんでした。
自分が人生において差別されたと感じたのは、明らかにオタクであることが原因でした。
自分が好きなことをしようとすると、とにかく好機の眼でみられるのです。
何故、中学生になったら半ズボンを履いていてはいけないのか。何故、高校生が川や池でオタマジャクシを獲ってはいけないのか。何故、大学生がコロコロコミックとペンギンクラブ山賊版を一緒に買ってはいけないのか。何故、プラカラーで汚れた手で学校に行ってはならないのか。何故、電車の中で携帯ゲームをしたり、ガレージキットを開封して撫で回したりしてはいけないのか。自分が当然と思うことをする度に、第三者からはとにかく好機の眼でみられました。
それは、電車の中やファミレスの店内で、中国人や韓国人とみられる集団が大声で喋ってる際、「日本人」の一般市民が向ける眼と一緒でした。
おまえらがその時々の流行に乗った服やら靴やらバッグやらを着て自慢しているのは、毎年新しいライダーベルトを身につけて自慢しているのと何が違うのか。……そういったことごとに、もっといえば世の中に、反感と反発を抱いていたのでした。
その一方で、宮崎勤の部屋に自分の部屋にあるのと同じ本や雑誌を発見し、戦慄したりもしました。
だから、遊びに行った友達の部屋の本棚に少女マンガや成年コミックが並べられていたり、明らかに違法と思われるモデルガンをいじくりまわしていたり、明らかに密漁してきたと思われる魚や甲殻類が水槽にいたりすると、えもいわれぬ仲間意識を抱いたりしたものでした。
だから、「世間」や「一般常識」といったつまらないことに拘わず、自分の好きなことに打ちこんでいるW先輩のことが大好きでした――しかし、今思えば、これは後付けの理由です。
何故なら、あのダイビングサークルにはそのような人が沢山いました。キャンプしながら西表島を横断する人もいれば、家の中を水槽だらけにして海水魚や爬虫類を飼ったり、バックパッカーとしてアジアから中東まで旅するような人もました。
その中には、W先輩のように好きで好きで堪らない人もいれば、S先輩のように見るのも嫌になる人もいました。
単に、自分の手の届く範囲の中で最も自分の好みに合うルックスだから、最もセックスしたい女性だから、W先輩のことを好きになったのです。
そういうわけで、W先輩の新居である下北沢に向かう電車の中で、自分の心は早鐘を打ち、掌は手汗でいっぱいでした。
近所に一つだけある、昭和40年代から設置されていると思しき錆付いた「明るい家族計画」の自販機で、コンドームを買うことさえしました。
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