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7月9日 小沢一郎新潟街宣in府屋(前編)
7月9日 小沢一郎新潟街宣in府屋(後編)
2013年7月9日(火)新潟県村上市府屋
皆さんこんにちは。ただ今、ご紹介いただきました小沢一郎でございます。本当に日中のお仕事の最中のお忙しい中にもかかわりませず、こうして大勢の皆さんが街頭に足を運んでいただいて本当にありがとうございます。まず皆様の温かいご支援に対しまして心から御礼を申し上げます。本日は誠にありがとうございました。
皆さんご承知の通り、すでに参議院選が始まっております。今日は私たちの、そして私の同志であり最も信頼している森ゆうこ君のお願いに参りました。森君はすでに皆さんもテレビや新聞で色々とその活躍をご存じのことと思います。私は大勢の仲間とともに今日までやってきました。その中で本当にどんな状況になっても自分の信念を曲げず、ぶれず、ひたすら皆のために、郷里のために、国のために、そういう熱い、強い思いでもって私と一緒に行動して参りました。その森君の政治家としての固く強い信念と行動力は皆さんもご承知ですけれども、中央政界におきましても党派を超えて非常に大きな信頼を得ております。
私は長年この世界でやってきましたけれども、いずれそろそろ次の世代にバトンをタッチしなければなりません。私も何とかして日本に本当の民主主義を定着させ、そして次の世代の人たちにバトンをタッチしてしきたいという思いで現在おります。その次の世代を率いる、代表する本当に素晴らしい有力な一人として、皆さんが応援してくれている、育ててくれております森ゆうこ君がいるわけでございます。
これは皆さんの前に来て地元の皆さんの前だから言っているわけではないのです。本当に彼女の国会活動、この地域での活動、また選挙の状況を見た時、皆さんもお分かりになるでしょう。最初の選挙、彼女は自由党の時に立候補してくれました。本当に小さな政党でございました。その中で皆がなかなか選挙で当選するのは無理だろう。そう思っておりましたけれども、多くの温かい支持者の皆さんのおかげで第一回目の選挙で見事当選しました。
そして6年前の選挙戦では、民主党が公認候補者を2人出し、大きな支援団体がもう1人の候補者につきました。森君は孤軍奮闘でしたけれども、今日お集まりの皆さんのような熱心な方々に支えられて、これまた、見事難関を突破して二回目の当選を果たしました。
今度が三度目であります。三度目の選挙は普通、二度の激戦をくぐり抜けてくれば安定した戦いになるはずなのです。しかし私とともに主義、主張を曲げず、「国民の皆さんとの約束をしっかりと守らなければ政治家ではない」、そういう固い思いの中で小さなグループになってしまいました。(私たちは)節を曲げず、考えを曲げず戦い抜いてきました。それだけに今回の選挙、大変厳しい、難しい選挙戦であります。
私は彼女の政治家としての資質とバイタリティー、行動力、それを支える地元の皆さんの力で必ずこの難関を潜り抜け当選させていただけると信じております。どうか皆さん投票日まで本当に皆さんのお力で支えていただいて三度目の当選をさせてください。彼女は必ず皆さんの期待に応え新潟の代表として、日本を代表する政治家となります。皆さんのお力をまず心からお願いする次第であります。
私どもは昨年末の選挙で本当に国民の皆さんから手痛い叱責、結果を頂きました。民主党政権も崩壊してしまいました。ご案内のとおり私は、民主党政権樹立のために政権交代のために先頭に立って一生懸命に全国を歩いて頑張ったつもりであります。それだけに誰よりも、国民皆さんのご期待に応えられずに民主党政権が終わってしまった。ご期待を裏切ってしまった。そのことについて本当に残念でなりません。この間、私の政治活動はいろんな旧権力の攻撃を受け制限されてきました。それはそれとして私も責任を回避するつもりはありません。
ただ、「自民党の政権に代わってしまった。」「これだけ負けてしまったではないか。」こういうふうな無気力になってしまう人も多いですけれども、皆さん昨年の総選挙、民主党は国民の皆さんの期待を裏切り天罰が与えられました。しかし、その中でも得票を分析してみますと自民党に対する票は全く増えていないのです。我々は自ら墓穴を掘ってしまったということです。(自民票が)増えてないにもかかわらず(自公批判票の)受け皿が分散し、なくなってしまいました。その結果として小選挙区制ですから自民党に多くの議席が配分されてしまったということなのです。
ただ皆さんご承知のとおり、その後の日本全国の各地域の首長の選挙では、自民党推薦候補者が皆敗れています。つい先日横須賀(の市長選)で小泉親子が自民党候補を一生懸命やったけれども、非自民の市長さんが再選しました。これはどういうことかと言いますと、国民皆さんは、民主党には期待外れで本当に残念だったけれども、自民党政権ではなくて、古い体質の政権ではなくて、格差をなくし地方を活性化し、本当に国民のサイドに立つ政権を作ってほしいと。私はこういう国民皆さんの願いは決して変わっていないと思います。
ですから何としてでも私どもは、国民皆様に民主党政権のお詫びをしながらもう一度、国民の皆さんのお力を借りて本当に皆さんのためになる政権を打ち立てなければならない。そういう思いでいるわけであります。どうか皆様におかれましてもそのことをしっかりとご理解いただきながらこの参議院選挙もぜひともご支援を賜りたい。
今参議院は野党の方が多いわけです。ですから安倍政権、自民党政権の色々な暴走をチェックすることができます。しかし参議院も自民党が過半数を取ってしまうと、政府が何をしでかすか分かりません。そういう意味でいろんな問題があります。色々な格差、地方間の格差、地方はこのままではさびれる一方です。皆さんも実感としてお感じになるでしょう。私の故郷も同様であります。そういう地域間の格差或いは所得の格差、或いはサラリーマンの人たちの中には非正規と正規という雇用の格差、いろんな意味で日本は格差の大きい社会になってしまった。これに対して安倍政権はどういう考えで政治をやっているのだろうかということです。
個別のことについては森さんからも聞く機会があると思います。今の政権で私が最大の問題にしているのは、彼の政治運営に対する考え方なのです。彼は何度も何度もテレビでも演説でも景気を回復して皆の生活をレベルアップするのだと言っています。なるほど経済を良くし、景気を回復することは誰も反対ではありません。ところが彼が言うのは、どういう形で景気回復、経済を大きくするのかと言いますと、競争力のある生産性の高い大企業、これをどんどん伸ばしてその大企業にいっぱいお金を儲けてもらって、その儲けたお金を国民の皆さんに配ればそれで皆の生活も楽になるでしょう。こういう発想なのです。
これはどこかで聞いたような話なのです。10年前に小泉さんも同じことを言いました。確かに大企業はうんと儲かりました。しかしそれが本当に国民に全部配分されたでしょうか。国民の所得はあれから10パーセント以上も減っています。そして今言ったように地域間格差も雇用の格差もどんどん広がってきました。その同じ政策、考え方を安倍さんも採ろうとしているわけです。まさに採っているわけです。
金融緩和だと言って日銀が国の借金証文をじゃぶじゃぶと何ぼでも買い入れる。そしてお金を印刷する。これがみんなに回ればいいだろうと言うけれども、一般の皆様や零細企業にお金が回ってこない。本当に必要な人には銀行が全然貸さないでしょう。銀行が貸しますか。貸さない。本当に必要な人には貸しません。お金がじゃぶじゃぶした結果は皆、株とか円為替とか投機のマネーゲームの原資になっているに過ぎないわけです。
金融緩和によって円が安くなりました。今日は101円ですか。そのうちにもっと安くなるかもしれない。しかし、円安でいったい皆さん何かいいことありましたか。何にもないでしょう。結局、油代は上がる。医療費は上がる。食料費は上がる。これから電力もガスもで値上げばっかりです。円安になればそういうことになる。これからもっと加速される可能性がある。ただ一人儲かっているのは輸出を主体とした自動車や電機の大企業だけです。円が安くなりましたから、一円安くなるたびに何十億、何百億だと儲かっているわけです。史上最高の儲けを得ている会社もあります。
その上ですね。これはつけ足しですけれども、輸出した企業は消費税を払っていないのです。輸出品にかかる消費税は会社に全部還付される。ですから彼らは消費税がなんぼ上がっても全然平気なのです。全部戻ってくるわけですから。そういうやり方で本当に国民皆さんの生活が豊かになるだろうか。地域が再活性化できるだろうかということなのです。
特に農村、漁村ではTPPも深刻な問題であります。TPPは農業、漁業の皆さんが深刻に感じています。もちろん直接的打撃は農業、漁業に大きいのです。私ども岩手県ではアメリカの言う通りにしたならば、農業漁業生産額がほぼ半分になるという試算が出ております。それだけに危機感を持つのはその通りなのです。
一般のサラリーマンの方はそれほどあまりTPPの問題を深刻に考えていないのですが、実はアメリカの狙いはもっと大きな所にある。その一つが医療・健康保険、国保の問題です。もちろん健保も入りますけれども、医療保険の問題は日本では簡易保険ですね。皆が国保であれ、健保であれどこかにちゃんと入って誰でもが皆保険を適用されることができます。アメリカでは5000万人に近い人が(医療)保険に入っていない。アメリカは自由保険ですから。自分で余裕のある人は民間会社と医療の保険契約を結ぶ。それが出来ない人がほぼ5000万人居る。そういうアメリカのシステムを日本にも適用させようとしているのが今のTPPの中にはらんでいる大変な問題なのです。
もうすでにアメリカから圧力があったかは知りませんが、安倍政権の審議会では、混合診療、いわゆる自由診療、つまり(医療)保険の適用外の最先端の治療とか薬とかそういうものを自由にしよう、自由診療の枠を広げようとしている。そうするとどうなるか。保険の適用にならないから、薬も含めてどんどんいい医療対策、先端技術も治療も何もかも皆自由になる。普通の人は受けられなくなってしまう。そうしますと、今までの簡易保険の制度は徐々に崩れていってしまって最終的に日本の国民全部の健康に関するセイフティーネットである国民皆保険が維持出来なくなります。そういう非常な危険をはらんでいます。だから我々は今TPPに参加するべきでないと言っているわけであります。
いずれにしても安倍政権がTPPを率先してやっているということであります。また雇用の方も非正規をどんどん増やそうとしている。まさに政治を大企業の論理、強者の論理でやっているのです。競争で負けてしまった弱い者はしょうがないのだと。強い者はどんどん勝って大きくなればいいのだと。そのおこぼれを配分するのだと。こういう考え方であります。
それではね、皆さん。まさに弱肉強食、獣、動物の世界です。争いだって、強い者、勝った者が相手を倒して生き残る。これでは政治は何なのかと。何のために政治はあるのかと。そんな好き勝手にさせていいのだったら政治はいらない。政治は能力のある人、強い人が一生懸命努力し、自由な活動の中で儲けるのを悪いと言っているわけではない。だけど大都会も農村も漁村もどんな所に住んでいようが、多くの皆さんが一定レベルの生活、医療、郵便、何であれ、そういうサービスをきちんと受けられる。地方に雇用の機能を作る。そういうセーフティーネットをきちんと作るのが政治の役割なのです。それを作った上において後、それ以上という人は自由に一生懸命自分で努力すればいい。それが自由競争の世界です。
一般皆さんの生活をきちんと支えるセーフティーネット、医療でもそうであります。今言ったように郵便もそうだ。それからまだ完全な制度ではないですけれど、私が主張して農漁村の戸別所得補償制度を作りました。これももっと完全にしなければなりません。そういうセーフティーネット、皆さんの暮らしをきちんと守っていく安全システムを作り上げなければならない。それが政治の役割だと。私どもはそう考え、主張しているわけであります。
ですからこの参議院選挙で我々自身が一定の政治的基盤をしっかりと確保しないと、今言った(安倍政権の)考えでやりたい放題にやられてしまう。地方はどんどんさびれる一方です。私もさらに北国の農村で育ちましたから同じ思いです。このままだと本当に故郷がなくなってしまう。結果的に日本全体が沈没することになってしまうと思います。
だから私はこの参議院選挙をどうしても皆さんのお力で私どもの候補者、森ゆうこ君を当選させてもらって、この地元の声を彼女の能力、バイタリティー、行動力でもって政治の場で主張してもらいたい。そのことを何としても皆様にお願いしたい。その思いで今日こちらに参りました。本当に皆様にはお忙しい中、大勢の方々が街頭に出ていただきまして本当に有難うございます。くれぐれも森君のために投票日の最後の最後までお力を与えていただいて、何卒皆さんのお力でもう一度参議院に送ってください。重ねてお願い申し上げまして私のご挨拶と致します。ありがとうございました。
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