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アベノミクス、国民所得は減る一方の結果

2013/06/17 12:24 投稿

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小沢一郎代表定例記者会見(2013年6月17日)

6月17日、小沢一郎代表が定例の記者会見を行いました。
冒頭、次期参院選における東京都選挙区では、山本太郎氏を勝手連的に支援することが決定したことを報告しました。その後行われた質疑の要旨は以下の通りです。

 

2013年6月17日小沢一郎代表定例記者会見

 

【会見要旨】


党政策について

Q. 6月3日に発表された参院選の基本政策について。経済の分野で、TPPに反対とあるが、日中韓FTAやRCEP(東アジア地域包括的経済連携)は、積極的に推進すると。その一方で農林漁業のところで食の安全保障として50%を上回る食糧自給率に引き上げる、とあるが、RCEPには参加国として農業大国オーストラリア、ニュージーランドが加入しているわけで、これでは(食糧自給率を引き上げる政策と)矛盾してはいないか。日中韓FTAとアジア自由貿易圏を積極的に推進する方針に決まったとあるが、党の議論の経緯は。(IWJ)
A. TPPに関連しながら色々な機会に申し上げているが、自由競争・自由貿易を否定しているものではない。お互いに各国ともできる限り自由な貿易の中でレベルアップをはかっていこうと、推進してゆくべき。その意味で、中国であれアメリカであれ、自由貿易を尊重し推進する点では党内では何の異論もない。ただTPPについては単なる関税引き下げ、自由貿易ではなく、いわゆるアメリカのルールを日本社会に適用させようと、グローバリゼーションという名のもとにアメリカナイゼーションを進めようと、旧来の構造協議の延長線上の性格を持っている。少なくともアメリカはそれを意図しているので、日本政府が、今の安倍内閣がアメリカと対等に交渉する能力はないと思うので、そのアメリカの思惑のままに流される可能性があるので、TPPへの参加は非常に危険であるから参加すべきでない。TPPは直接的には農業や漁業、一次産業が大きな打撃を被るが、医療問題、簡保・郵貯、民間の企業活動のルールにおいてもアメリカ的な制度を導入しようとしている。良いところは導入してもよいのだが、日本の固有の仕組み、特に国民の生活を守るセーフティーネット的な役割をしている仕組みをアメリカのような弱肉強食的な自由競争にさらすことはできない。その意味で反対をしている。付随して申し上げると、党としては50%の食糧自給率を推進しているが党最終政策案は検討中。とはいえ、個人的には基幹の食物、基幹食糧は100%自給できると思っている。したがって食糧安保=食糧自給率を高める努力をしてゆくべきと思っている。
Q. 農業大国のオーストラリア、ニュージーランドが入っているのにもかかわらず、食糧自給率を上げると考えているということでいいのか。(IWJ)
A. 食糧自給率(を上げる政策目標を持つこと)は、どこの農業圏が入ろうが、かまわない。そのために我々は所得補償方式を民主党政権当時に作って、(ただし)今の所得補償方式はかなり農水省に歪められているが、農家の所得補償方式を、食の安全保障・農家の生活のセーフティーネットをきちんと作ろうとしているので、何にも矛盾しない。個別所得方式で補完できるのではなくて、荒れ果てて遊ばしている休耕地を全部効率的に活用すれば、主要穀物はじゅうぶん自給できる。また生産農家については、生産費を維持し、再生産をしてゆくために、戸別所得補償として、その時々の食糧価格と生産費との関連でもって必要な予算措置をしていく。その点は、食糧の大規模な輸出国が相手だから「日本の自給率に影響する」とか、「自由貿易が結べない」などということは一切心配していない。
Q. アベノミクスの破綻について、マスコミ各紙の質問の中で、「実体経済が伴わないアベノミクスの崩壊は間近」と極めて鮮烈な予言され、社会や業界に衝撃を与えたが、事実、ご発言直後に株価は乱高下して低下、為替は円高にふれて安倍政権発足当時に近い数字に戻った。代表の分析と予言は的中した。今日から北アイルランドで始まるG8で安倍総理は、「アベノミクスについての世界的理解を得たい」と意気揚々だが、この経済政策について解説を願いたい。(山崎ジャーナル)
A. アベノミクスを世間で、メディアも含めて、もてはやして、一時、株が上がる、円為替が安くふれる等の今までとは違った現象が出たが、実体的には日銀が国債を従来の倍も買って、ジャブジャブお金を出すだけのこと。そのお金は困った人には全くまわらず、マネーゲームの原資になるにすぎない。そういったアベノミクスが宣伝した現実(の結果)が、今日の株価と為替の事実で、国民の皆さんも、はじめて、その正体がわかったことだろうと思っている。そういう具体的な政治手法だけでなく、国民にとっての安倍政権の一番の問題は、小泉政権時代に政治経済運営の背景となった“新自由主義”と俗に言われるような市場経済万能の自由取引、自由競争、強い者が勝ち残って、どんどん強い者が大きくなれば、結果として配分によって国民生活もレベルアップするのだ、という話だった。しかし現実は、大企業は大いに儲かったが、国民所得は減る一方の結果だった。その考え方が、安倍さんにも引き継がれているような気がする。したがって、このままでは本当に国民の生活は苦しくなる一方。社会保険料等もアップし、税金も上がり、来年からは消費税(増税導入)。(これを)このまま許しては、国民にとって生活が苦しくなるだけで、マイナス面だけの安倍政権になることを大変危惧している。その意味でも、参議院選挙で一定の成果をぜひ上げたい。国民の皆さんの理解を得たいと考える。

参院選について

Q. 東京選挙区は党としての推薦ではなく、勝手連ということだが、東京選挙区は事実上、党としては他の候補を立てる予定はないか。全体的な参院選の候補者の擁立については、選挙区・比例含めて、この先(擁立が)あるのかどうか。(NHK)
A. (東京は)他の候補を立てる予定はない。もう、詰まってきたので、立てたいが、現実として他の大都市を抱える府県は、やりたい気持ちはあるが、(候補を)大幅に加えることはない。
Q. 安倍首相が外遊先での同行記者団との懇談の中で、憲法改正にからんで参院で2/3以上の勢力を得るために従来から言っている日本維新の会、みんなの党に加えて民主党内の改憲派も取り込みたいという意向を示したが、これについてのご所感をうかがいたい。(産経新聞)
A. 特別ない。他党のことだから、総理がそう思っておられることは報道で知ったが、それはそれで総理のお考え。民主党で改憲を主張している人々がそれと同調してやるというのであれば、それもまた、その人達の考え。私どもがとやかく言う筋合ではない。いずれにしても、民主党であれ、自民党も実態はそうだが、大事な、大きな政策課題について、なかなか意志決定ができないという状況は政党として、あるべき状況ではないので、憲法問題等々で主張を政治家としてすっきりさせるのは結構なこと。
Q. 各紙の世論調査で、参院選が近づいているが、なかなか名前が浸透していない生活の党の支持率が必ずしも伸びていない現状で、参議院選に向けてどうやって伸ばしていくか、戦略はあるのか。(読売新聞)
A. 特別な特効薬は、選挙にはない。1人ずつ、みんなで、多くの国民の皆さんに理解を求めていくということ以外に、方法はない。個別具体的にいうと、まずは、東京を含めれば6つだが、公認候補5つの地方選挙区で必ず議席を確保する。そのための運動を全力で行う。比例区で6人の候補者がいるが、1人頭100万票強ということになれば、全員当選のためには600万票以上(必要になる)。それに向かって、候補者、衆議院の者、総支部長等々、合わせればかなりの数になるので、選挙中を通じて、いろんな政策活動を展開していくという地道な方法しか考えられない。あとは運動展開するために、それをスムースにするためにはどういう方法がいいか。ポスター、リーフレットなど個別の手法について考えながら、やっていきたい。基本的には、特効薬はないので、国民皆さんの理解を得るために全力を尽くす。それだけ。
Q. 2点。安倍首相の憲法改正にからんだ発言で、代表としては、かねてから憲法改正をテコに野党勢力の再結集には肯定的なお考えを示されていたと思うが、首相側としては、民主党側を揺さぶって分断しようという狙いがあると思う。改めて憲法改正議論をテコにした野党勢力の再結集=政界再編についてうかがいたい。もう1つ、参院選において、民主党と個別選挙区で連携をはかっていくつもりはあるのか。(朝日新聞)
A. 憲法改正を軸にして、テーマにして、賛否論での振り分け方は乱暴すぎると思う。今、憲法改正96条をはじめとして(改正)反対と言っている人々も、全く憲法のあらゆる条項で改正しなくてはいけないと思う点が、まったくないという意味ではないだろうと思う。要は、安倍政権が進めている、まず手続きの96条からの改正、という本末転倒で姑息な憲法論議に、非常に、違和感があり、危うさを感じている。中身が、9条の自衛権・国防軍(創設)という話。ほとんど付け加わっている点はないが、よくよく見ると、「基本的人権を守る」条項が自民党案では削除されている。どちらかというと偏った憲法論議については反対。詳しく言えば(自民党の)ホンネだと思う。だからマスコミは、改憲か護憲か、という単純な、旧来の意味のないとらえ方をせずに、本当に「国民のために憲法はどうあるべきか」という真摯な態度からはずれている改憲論はおかしい。という観点から論評していただければ非常にわかりやすいと思う。民主党との選挙協力だが、我々は、前から「協力しなければダメだ」、「総選挙で負けて、みんな気力をなくしているが、国民は必ずしもそうではない」と(主張してきたが)、その証拠は、総選挙後の地方選挙では、ほとんど全部、非自公・非自民が勝利している。国民はなお旧体制を、あるいは既得権を堅持しようとする自民党政権に、必ずしも肯定的でないし、できれば新しい、本当に既得権を打破して国民のために改革をしてくれる政権を望んでいるという証拠だと思う。その意味で、民主党であれ、なんであれ、非自民の政権と選挙協力もしていく(心構え)は以前からの通り、今もそう思っている。具体的に民主党との話し合いができれば、1つでも、2つでも、そう(協力)したいと思っている。

都議選について

Q. 都議選について聞きたいが、生活の党として、どういったことを訴えて政権与党に対峙してゆくのか。他の野党とは、どういった差別化をして戦っていくのか。
A. 首都・東京都の議員なので、他県とは違った意味をもっているのはその通り。(しかし)本質的には地方議員の選挙なので、国政の選挙とは違う。地方選挙は、国政選挙以上に地域の住民とのいろんな意味でのつながりが、選挙に大きな結果をもたらす。地域での基盤が薄い新しい党にとって、候補者擁立を強引にすることは難しいし、すべきではない。今回擁立する3人の公認候補と、10人の民主党の候補者から要請があったので推薦をしたが、そのようなかたちで党勢の拡大をはかっていきたい。都議選も確認団体になったので、政策的なアピールをしていきたい。

 

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