宝石の国

これは、成長の物語 宝石たちの中で最年少のフォスフォフィライトは、硬度三半とひときわ脆く、靭性も弱くて戦闘に向かない。 また、他の仕事の適性もない。そのくせ口だけは一丁前という、まさに正真正銘の落ちこぼれだった。 そんなフォスに、三百歳を目前にしてやっと初めての仕事が与えられる。 それは、博物誌編纂という仕事。地味な仕事に不満なフォスだったが、彼はその目で世界を見、様々なことを経験する中で、しだいに大きなうねりに飲み込まれてゆく。 そしてついに、彼は望まぬかたちで、欲しかった“強さ”を手にするのだが。
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