砂浜に練習中のサックスの音色が響き渡っている。嬉しそうに駆け回る犬とその姿を嬉しそうに見守っている飼い主の女性。波打ち際では子供たちが膝下まで海に浸かってはしゃいでいる。夕暮れを目前にした海岸では誰もが久し振りに訪れた春らしい晴れ間を愉しんでいた。凪の海のように優しい時間が流れていた。134号線のいつものコースを走り終えたばかりの僕もストレッチがてら浜辺に腰を下ろす。眩しいくらいの夕陽の下に、砂山を作って遊ぶ小さな男の子とお父さんの姿があった。僕はすぐにクイちゃんのことを思い出した。
「穏やかな海を見ていると人は優しくなれるのかもしれない」
この記事の続きを読む
ポイントで購入して読む
※ご購入後のキャンセルはできません。 支払い時期と提供時期はこちら
- ログインしてください
購入に関するご注意
- ニコニコの動作環境を満たした端末でご視聴ください。
- ニコニコチャンネル利用規約に同意の上ご購入ください。
新着記事
- 「星に願いを」 2日前
- 「一年の終わりと一年の始まりに」 4日前
- 「見えなくなったもの、聞こえなくなったもの」 6日前
- 「がんばります」 2週間前
- 「小児病棟のサンタクロース」 2週間前
コメント
コメントを書く(著者)
>>1
だからこそ海を大事にしたいなと思うんですけどね・・・。
(著者)
>>2
本当に大切なものを失う怖さをこの年になってようやく知ったということなのか、あるいは今まで本当に大切だと思っていたものは実はそれほどでもなかったのか。考えてしまいますね。
(著者)
>>3
なんでもない風景に日々感動できたり発見できたりするのはここで暮らすようになったからなのか、僕自身の目や心が変わったのか。それもまた考えてしまいます。