妻は前夜からちらし寿司の仕込みに忙しそうだった。海老を出し汁に浸したり、干し椎茸や干瓢を煮たり、蓮根を酢漬けにしたり。台所で手を動かしながらそれぞれの具材にもひとつずつ娘の健やかな成長に対する願いが込められていると教えてくれた。海老は「長生き」。蓮根は「見通しが効く」、椎茸の黒や蓮根の白にも方角的な意味があるという。
「母が娘に贈る詩」
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コメント
コメントを書く(ID:29910722)
すてきですね。
受け継がれて行く伝統とその思い。
私も祖母から母へ母からわたしへわたしから娘へ、
おそわったり、経験したことや思いを
ちゃんと次世代につないでいかなきゃ、と
思います。
(著者)
>>3
男の子は父親から何を受け継いでいくんだろうな、なんてふと考えちゃったりもします。悪いとこばかり受け継いでいるような気もしないでもありません。
(著者)
>>4
伝統と呼ばれるものは決して大袈裟のものではなく、普通の人々の生活の中にあるものなんだなと感じます。