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「夏の果(げのはて)」

2016/08/31 07:00 投稿

コメント:6

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  • 自分の人生がある場所へ

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 万葉の世において去りゆく季節を惜しむのは春と秋だけだったという。しかし、現代詩の世界では夏もまた消えゆく影を惜しむものとなっている。海へ山へと人々が行動するようになったことで夏が深い記憶を刻む季節になったからだそうだ。
 

 8月最後の海でビールでも呑もうと、週末の午後、葉山の一色海岸まで散歩した。台風10号の接近を予感させる曇空の浜辺はローカルだけで寂寞としている。皆が眺めているだけの海では忙しさから解放されたライフセーバーたちが今年最後の海を味わい尽くそうと力強く泳いでいる。潮風で体を冷やさぬようパーカーを羽織ると、ビーサンを手に裸足で歩いた。最初は足裏にひんやりと冷たいのに身体の芯にはじんわりとした暖かさを伝えてくれる晩夏の砂が心地良い。灼けるような太陽の記憶を足下の砂までもが惜しんでいるように感じられた。

 

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コメント

userPhoto 小原信治
(著者)

>>1
去年の夏に今年の夏が想像できなかったように来年の夏も想像できないような気がしています。ただ、みんな元気で笑っていられるわうにと祈るばかりです。

No.4 99ヶ月前
userPhoto 小原信治
(著者)

>>2
学生時代の経験から誰もが8月31日は夏の終わりと強烈に刷り込まれているんですよね。

No.5 99ヶ月前
userPhoto 小原信治
(著者)

>>3
僕も小学校3年の時には親と出掛けることを拒んでいました。自立するのが早かったというか早く自立したくてしょうがなかったんですよね。親からすると嬉しい反面淋しいものなんですかねえ。

No.6 99ヶ月前
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