著:古樹佳夜
絵:花篠
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◆◆◆◆◆牛舎◆◆◆◆◆
仁平「……」
吽野たちの真後ろに仁平が立っている。
背中に汗を伝わせながら、吽野はゆっくりと振り返り、仁平に語りかけた。
吽野「どうかしましたか?」
仁平は、ただニタァと笑っている。
何か言う素振りもない。沈黙が続く。
阿文と吽野は顔を見合わせた。
吽野「あの〜……」
吽野が言いかけた時だった。
仁平「この男は死ぬよ」
仁平は、自分の胸を指差して言った。
阿文「なっ……!」
阿文が驚いて声を上げた。
仁平「ぐぶぶ」
仁平は口から泡を吹いて倒れた。
地面にべったりとへばりついて、
縫いつけられでもしたようだ。
首は真横を向いた形で、白目を剥いている。
阿文「お、おい……!」
阿文は慌てたが、吽野が制した。
阿文「先生! あいつ息をしてないぞ」
吽野「わかってる。もう手遅れだよ」
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