たとえばメタリカのライブ×世紀末アクションが飛び出す映画『メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー』やアイスランドの映画賞総なめのヘヴィメタル少女映画『メタルヘッド』、メタルで悪霊を殺すホラー・コメディ『デスガズム』など、最近では映画界でもヘヴィメタルをテーマにした作品をちょくちょく目にします。
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そしてこの度、ブラック・メタルに人生を捧げる3人のドキュメンタリー『Blackhearts(原題:ブラックハーツ)』が登場しました。まずは予告編をご覧ください。
こちらはMetal Sucksに掲載された、本作のプロデューサー/脚本家であるChristian Falchの動画。
公式サイトによると、ストーリーは以下の通り。
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『ブラックハーツ』はコロンビア、イラン、ギリシャに住む3人の熱烈なブラック・メタル・ファンたちが、自分の人生を危険に晒しながらも生きる様子を追った作品です。最後は監獄に入れられ、聖ならざるブラック・メタル誕生の地ノルウェーへと自分のバンドを巡礼させる夢をかなえるため、悪魔に魂を売ります。
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トップ画像にもある「あなたは愛する音楽のためにどこまでいけますか?」という記述の通り、ブラックメタルのために3人が一線を越える様子が描かれるようです。
ちなみに『メタルヘッド』にも登場した、教会が放火されて焼け落ちる衝撃の報道シーンがこの予告編にも映っていますが、これは1992年にノルウェーで実際に起こった事件。ブラック・メタルのミュージシャン、ヴァルグ・ヴィーケネスが(放火、未遂合わせて7件も)起こしたとされている有名な出来事です。
本当はそうではないものの、悪魔崇拝者による犯行であるという報道とそのイメージから、サタニストたちのメッカとしてノルウェーは憧れの地となっています。
予告編だけでは内容がわかりづらいので、本作の登場人物である3人のストーリーもご紹介。
コロンビアのヘクターは、Luciferianというブラック・メタル・バンドを率いる人物で、サバトを行うほどのサタニスト。
彼はノルウェーのブラック・メタル音楽祭に参加しようとしますが、ビザが取れずに困り果て、悪魔崇拝者の師匠にビザを取るために魂を売るように指導されます。
ヘクターの村の住民はみんなが敬虔なカトリック信者で、彼は自分がサタニストであることを告白できず、つらい思いを抱えている男性です。
サタニストはつらいよ
続いてギリシャのキアダス。昼間は過激な活動で知られる極右政党黄金の夜明けのメンバーで、夜の顔はブラック・メタル・バンドのNaer Mataronを率いている人物です。
ヘクターと同様、ノルウェーの音楽祭への参加を目指しますが、犯罪集団に所属しているとして20年の禁錮刑を言い渡されてしまいます。
政治も音楽も、信念を持ってやっている。
最後はイランでたった1人のブラック・メタリストであるシーナ。
イランは法律によってブラック・メタルの演奏および発売を禁じている厳しい国です。彼は他にメンバーがいない1人だけのバンド、From the Vastlandのために曲を書き続け、ネットでリリースする毎日をおくっています。
ある日シーナにノルウェーでの音楽祭への出演のお誘いが来ますが、もし彼がブラック・メタル奏者であることが明らかになると、彼自身だけでなく家族の命まで危険にさらされることになるのです。それにもし旅立てば、もう二度と家に帰れないかもしれません。
しかし、彼の心は自分の情熱を選びます。
家族の命をも危険にさらしてしまう
お国柄と宗教と政治の間に挟まれながら、ブラック・メタルに入れ込む3人の生きざまは人生や命に関わるほど崖っぷちです。
『ブラックハーツ』はクラウド・ファンディングのIndieGoGoで支持と資金を得て作られた作品。メタルヘッズなら見逃せないのではないでしょうか?
最後に、資金調達のために作られた動画もどうぞ。
source: Metal Sucks, vimeo, Wikipedia, Blackhearts - The documentary - How far would you go for the music you love?, YouTube
(岡本玄介)
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