もともとはミュージック・ビデオの監督だったのが、後に映画を手がけるようになったり、逆に映画監督がMV製作でメガホンをとったりといった例は数え切れないほどあります。
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そこで今回は、超有名な映画監督たちが手がけたミュージック・ビデオを10本ご紹介。
■スパイク・ジョーンズ監督:『バディ・ホリー』/ウィーザー
ウィーザーと言えばこの曲! というくらい有名な1曲。ウィーザーのリーダーであるリヴァース・クオモが、大きなメガネが特徴のバディ・ホリーに似ていることから作られたと言われています。
映画では『マルコヴィッチの穴』や『her/世界でひとつの彼女』で知られる鬼才のジョーンズ監督ですが、1992年からMVの監督としても大活躍していました。
ちなみに、ウィーザーのデビュー・シングルのビデオも撮っているとのことで、何かと縁があるようです。
■マーティン・スコセッシ監督:『バッド』/マイケル・ジャクソン
『タクシードライバー』や『カジノ』、『ギャング・オブ・ニューヨーク』といった悪い大人たちを多く描くスコセッシ監督が、マイコーのバッドな部分を描いたのがこちら。
このビデオには、音楽パートの前後に実話の不幸な殺人事件をもとにしたショート・フィルムのドラマがあり、ウェズリー・ スナイプスがガッツリとカメオ出演しています。
スコセッシ監督によるMVは、現在までこの1本のみのようです。
■マーク・ロマネク監督:『クローサー』/ナイン・インチ・ネイルズ
イギリスのSF映画『わたしを離さないで』などを手掛けた、ロマネク監督による倒錯の世界が広がる1本。
はりつけられたサル、ひっくり返ってもがくゴキブリやスキンヘッドで全裸の女性、豚の頭に女性器の拡大写真、脈打つ心臓などなど、普通では放送できないようなタブーがもりだくさんです。
そこには確かに退廃的な映像美が存在しています。
■ジョン・ランディス監督:『スリラー』マイケル・ジャクソン
『ブルース・ブラザース』や『星の王子ニューヨークへ行く』などを撮ったランディス監督が、マイコー作品の中でも特に有名なMVを手がけています。
その後『ブラック・オア・ホワイト』を撮ったのともまた、ランディス監督なのです。
オリジナルの『スリラー』は何度も見ているかと思いますので、ちょっとヒネって映画版『ファイナルファンタジー』のキャストが踊るバージョンもどうぞ。
■ミシェル・ゴンドリー監督:『カム・イントゥ・マイ・ワールド』/カイリー・ミノーグ
映画では『エターナル・サンシャイン』が有名かと思いますが、MVも多く手がけているゴンドリー監督。
歌っているのは、ジャン・クロード・ヴァン・ダムに彼の「タイ王国」を見せつけられてしまった、あのカイリー・ミノーグです。
一見してカイリーが普通に街を歩いているだけですが、ループして増殖していく映像のマジックが展開するこのMV。カイリー以外の住民も増えていくのに気づいていたでしょうか?
何気ない映像なのに、緻密な計算で音と映像が絶妙にリンクする手法を得意としているゴンドリー監督。
こちらも有名ですが、以下のケミカル・ブラザーズの『スター・ギター』も地味なビックリ映像なので、ぜひチェックしてみてください。
■マックG監督:『サンテリア』サブライム
2000年代の『チャーリーズ・エンジェル』シリーズや『ターミネーター4』でメガホンを取ったマックG監督は、それ以前にサブライムの有名曲『サンテリア』のMVを撮っています。
チョイチョイ出てくる幽霊のような人は、ヘロインの過剰摂取で死んでしまったサブライムのヴォーカル、ブラッド・ノウェルで、サンチョ役の黒人男性は俳優のタイニー・リスター・Jr.です 。
■ソフィア・コッポラ監督:『アイ・ジャスト・ドント・ノウ・ホワット・トゥ・ドゥ・ウィズ・マイセルフ』/ザ・ホワイト・ストライプス
フランシス・フォード・コッポラ監督の娘であるソフィア・コッポラ。『ヴァージン・スーサイズ』や『ロスト・イン・トランスレーション』など、の映画で知られています。
MVの映像は、スーパーモデルのケイト・モスが、かったるそうにポールダンスを踊るだけのシンプルな構成。
確かに、こうしたロックは場末のストリップ劇場によく合う気がします。
■ガス・ヴァン・サント監督:『アンダー・ザー・ブリッジ』/レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
意外にも、かなりの本数のMVを撮っているにもかかわらず、映画ほど印象的ではない気もするガス・ヴァン・サント監督。
レッチリの他にも、デヴィッド・ボウイやエルトン・ジョン、ストーン・テンプル・パイロッツに、さらにはハンソンなんて懐かしの3兄弟バンドのMVも手がけています。
■F・ゲイリー・グレイ監督:『イット・ワズ・ア・グッド・デイ』/アイス・キューブ
映画では『交渉人』や『ミニミニ大作戦』などを撮ったグレイ監督ですが、1992年のこちらが初めて撮影したMVとのこと。
そしてこれ以降、アッシャーやサイプレス・ヒル、ホイットニー・ヒューストンやTLCなど、黒人ミュージシャンたちのビデオを多く手がけるようになっていきました。
■デヴィッド・フィンチャー監督:『ラヴ・イズ・ストロング』/ザ・ローリング・ストーンズ
最後は個人的にはずせないこちらの監督の作品を。
往年の名作SF映画『妖怪巨大女』よろしく、ストーンズをはじめ登場人物たちが巨大化してニューヨークの街中を闊歩する奇天烈MVを撮ったのは、『セヴン』や『ファイト・クラブ』、『ゴーン・ガール』といった独特の暗い映像美を演出することに長けているフィンチャー監督。
彼は1992年に『エイリアン3』でデビューする前の1986年から、マドンナやエアロスミス、マイコーやストーンズといった超大御所ミュージシャンたちのMVを手がけ、プロダクションを設立していた過去があります。
フィンチャー作品のファンがそれらを知った上でMVを見ると、新たな発見があるかもしれません。
曲もビデオも知っているのに、実はあの監督によるものだった! いう作品もあったのではないでしょうか?
これら以外にも映画監督が手がけたMVはまだあります。皆さんのオススメ作品もぜひ教えてください。
source: 10 Awesome Music Videos Directed By Film Directors[TV Overmind]
Weezer - Buddy Holly[YouTube]
Michael Jackson - Bad[YouTube]
Nine Inch Nails - Closer (Director's Cut)[YouTube]
Michael Jackson - Thriller (Remastered Audio)[YouTube]
Michael Jackson - Thriller - Final Fantasy[YouTube]
Kylie Minogue - Come Into My World[YouTube]
The Chemical Brothers - Star Guitar[YouTube]
Sublime - Santeria[YouTube]
The White Stripes - I Just Don't Know What To Do With Myself[YouTube]
Red Hot Chili Peppers - Under The Bridge Subtitulado Español Ingles[YouTube]
Ice Cube - It Was A Good Day[YouTube]
The Rolling Stones - Love Is Strong - OFFICIAL PROMO[YouTube]
(岡本玄介)
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